2019年11月18日、厚生労働省は深刻化する介護現場の人手不足を解消するため、リーダー級の職員育成に注力する方針を固めました。高齢化社会が加速する中で、介護ニーズは多様化し続けていますが、現場の努力だけでは対応が限界に達しつつあります。そこで国は、民間企業が培ってきたチーム運営や人材管理の知見を導入し、組織の要となるリーダーを育てることで、離職を防ぎサービスの質を高める狙いです。
SNS上では「現場の精神論だけでなく、マネジメントの視点が入るのは嬉しい」といった期待の声が上がる一方で、「本当に現場の忙しさが考慮されるのか」という不安も入り混じっています。国はまず2020年度に約30の自治体で先行してこの取り組みを開始し、2021年度以降には全国へと展開していく予定です。地域ごとの優れた成功事例をロールモデル(手本)として確立し、波及させていく戦略を描いています。
年収アップを実現する「特定処遇改善加算」とスキルの融合
この改革を支える柱の一つが、2019年10月の介護報酬改定で導入された「特定処遇改善加算」です。これは経験や技能があるリーダー級介護士の給与を、全産業の平均水準まで引き上げることを目的とした報酬の上乗せ制度です。お金による処遇改善と、研修によるスキル向上をセットで行うことで、介護職を「長く働き続けられる専門職」へと変貌させようとしています。
現在の介護業界における有効求人倍率は3.95倍に達しており、全職種平均の1.46倍と比較しても異常なほどの人手不足に直面しています。私は、今回の施策が単なる「研修」で終わるのではなく、現場のリーダーが「やりがい」と「報酬」の両方を実感できる仕組みになることが不可欠だと考えます。企業のノウハウが、硬直化した現場に新しい風を吹き込み、若手が憧れるような魅力的なリーダーが一人でも多く誕生することを願って止みません。
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