2019年11月18日、イギリスのボリス・ジョンソン首相は、ロンドンで開催された英産業連盟(CBI)の総会において、驚きの経済方針を打ち出しました。同年12月12日に控える総選挙で勝利し政権を維持した場合、当初計画していた法人税率の引き下げを一旦見送ると宣言したのです。
本来であれば2020年度から、現行の19%という税率を17%まで引き下げる予定でした。しかし首相は、この減税によって失われるはずだった財源を、国民の生活に直結する医療サービス(NHS)などの公的支援へ優先的に振り向ける決断を下しました。
SNS上では、この発表に対して「国民の健康を守るための現実的な選択だ」と支持する声が上がる一方で、「投資を呼び込むための公約を撤回するのか」という困惑の表情を見せる経済ファンも散見されます。企業への恩恵よりも、目の前の国民感情を重視したこの動きは、選挙戦における大きなターニングポイントとなるでしょう。
ここで専門用語を解説しますと、法人税とは「企業の利益に対して課される税金」のことです。これを下げることは、企業の手元資金を増やして景気を刺激する効果がありますが、今回はその「企業の余裕」よりも「社会保障の充実」が選ばれた形となります。
私個人の見解としては、EU離脱という大きな不透明感を抱える現在のイギリスにおいて、この政策変更は非常に大胆な「賭け」であると感じます。減税による経済活性化を後回しにしてでも、医療現場の崩壊を防ぎ、国民の信頼を勝ち取ろうとする政治的執念が透けて見えるようです。
産業界が集まる総会という、本来なら減税が歓迎される場であえてこの表明を行った点に、ジョンソン首相の強い意志を感じずにはいられません。2019年12月の審判の日まで、この戦略が有権者の心にどのように響くのか、世界中が熱い視線を注いでいます。
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