甘利明氏が挑む「税調」の変革!官邸主導で変わる2019年度税制改正の行方と聖域の終焉

2019年11月19日、今年も永田町には慌ただしい「税の季節」が到来しました。例年、自民党税制調査会(党税調)で行われる議論は、専門性の高さから特定の議員のみが関与する「聖域」とされてきましたが、今回は少しばかり空気が異なります。その理由は、かつての大蔵族や税制族という枠組みに縛られない甘利明氏が、新たに税調会長の座に就いたからに他なりません。

かつて、党税調は政府や首相官邸ですら容易に口を出せない強固な独立性を保っていました。これは、税制という複雑極まる分野を扱うには、旧大蔵省(現在の財務省)と密接な関係を持つ「職人」のような専門家集団が必要だという理屈がまかり通っていたためです。しかし、甘利氏は就任にあたって「税で政策を牽引する」と宣言し、単なる予算の査定役にとどまらない、積極的な提言型の組織への脱皮を目指しています。

SNS上では、この異例の人事に対して「今までの閉鎖的な議論が透明化されるのではないか」と期待する声が上がる一方で、「官邸のイエスマンになってしまわないか」という懸念も散見されます。安倍晋三首相は甘利氏に対し、「税の世界における政調会長(政策立案の責任者)になってほしい」と言葉をかけたと伝えられており、これまでの税調のあり方を根本から覆そうとする強い意志が感じられます。

スポンサーリンク

崩れ去る「聖域」の神話と政治主導への変遷

そもそも、党税調は本当に侵しがたい聖域だったのでしょうか。歴史を紐解けば、田中角栄氏や竹下登氏といった旧大蔵省に多大な影響力を持った重鎮たちは、意外にも税調会長のポストには就いていませんでした。さらに、1989年の消費税創設時や、1990年代後半の金融危機を受けた大規模減税など、国家の命運を左右する大きな税制変更の際には、常に時の首相が陣頭指揮を執ってきたのです。

党税調の権威が揺らぎ始めたのは、2000年代の小泉純一郎内閣からと言われています。衆議院の小選挙区制導入によって党総裁へ権力が集中し、中央省庁の再編が進んだことで、「官邸主導」の仕組みが整い始めました。こうした政治システムの構造的な変化が、特定の族議員が力を持つ時代を終わらせたと言えるでしょう。現在は、そのシステムが「安倍一強」という形で一つの完成形を迎えています。

私は、今回の甘利氏の起用は非常に合理的だと考えます。これまでの税調は、特定の業界に有利な「租税特別措置(特定の目的のために税を軽減する例外規定)」において、業界の要望を優先しすぎる弊害も指摘されてきました。甘利氏という新しい風を吹き込むことで、既得権益に縛られない、より大局的な視点での税制改革が期待できるはずです。

2019年11月19日現在、甘利税調がどのような「解」を導き出すのか、多くの国民が注目しています。単なる利害調整の場から、国家戦略を描く場へと進化できるのか。専門家による「職人技」の継承と、官邸主導による「政策実行力」の融合。この両立こそが、令和という新しい時代の税制議論における最大の見どころとなることは間違いありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました