世界が奪い合う「ナッツ狂騒曲」!中国の爆食と天候不順でアーモンド・クルミが歴史的高騰へ

私たちが日々の健康維持や、お酒のおつまみとして楽しんでいる「ナッツ類」の取引価格が、いま異例の高値圏で推移しています。アーモンドやクルミといった主要な品目が軒並み値上がりしており、私たちの食卓にも影響が及びそうな気配です。この背景には、主要な生産地を襲った深刻な天候不順による供給不安があります。

さらに追い打ちをかけているのが、世界的な健康志向の高まりによる需要の増大です。SNS上でも「美容のためにアーモンドミルクは欠かせない」「低糖質ダイエットの味方」といった声が多く、ナッツはもはや一時の流行を超えた生活必需品となっています。供給が絞られるなかで需要が膨らみ続ける、まさに「ナッツ争奪戦」が勃発しているのです。

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カリフォルニアを襲った不順な天候とアーモンドの異変

特に価格高騰が顕著なのは、世界生産の約8割をアメリカ・カリフォルニア州が占めるアーモンドです。2019年度は開花時期に雨と低温が重なり、花が腐ってしまうという事態に見舞われました。これを受けて、現地では生産見通しが大幅に下方修正されています。当初は約25億ポンドと予測されていましたが、現在は約22億ポンド前後まで落ち込む見込みです。

価格面では、2019年5月ごろに1ポンド(約453グラム)あたり3.2ドル前後だった取引価格が、7月には3.6ドル前後へと1割以上も跳ね上がりました。秋以降はわずかに落ち着きを見せ、現在は3.45ドル前後で推移していますが、それでも2018年の同時期と比較すると15%も高い水準にあります。カリフォルニアの異変は、即座に世界中の価格を揺さぶっています。

米中貿易摩擦も関係なし?中国の「爆食」が止まらない

価格高騰のもう一つの主役が、凄まじい購買力を見せる中国です。中国政府はアメリカとの貿易摩擦を受け、米国産ナッツに対して2019年9月には最大60%という極めて高い関税を課しました。普通なら輸入を控えるところですが、中国国内の需要はそんな壁をもろともしません。沿岸部を中心に食の西洋化が進み、パンや洋菓子への活用が急増しているためです。

中国はまず、関税のかからないオーストラリア産を買い占めましたが、それでも足りず、現在は「しぶしぶ」ながら高関税の米国産を再び買い始めています。2019年8月から10月の米国産ナッツの中国・香港向け出荷量は、前年同期を29%も上回るという驚きの結果が出ています。まさに「高くても買う」という中国の爆食ぶりが、市場を牽引していると言えるでしょう。

クルミやマカデミアも高騰!日本の消費者への影響は

クルミも厳しい状況です。米国産の生産予想が減少したことで、価格は2018年よりも4割ほど高い1ポンド3.5ドル前後で推移しています。さらに、かつてはミックスナッツの「ボリュームアップ用」として重宝されたカシューナッツや、高級品の代名詞であるマカデミアナッツも、中国の旺盛な需要によって高値止まりが続いています。

日本国内の卸値も、10年前と比較するとアーモンドなどは約2倍という驚くべき水準に達しています。編集者の視点から見れば、これだけの原料高騰がありながら、日本の小売価格が劇的に上がっていないのは、企業の血のにじむような努力があるからでしょう。しかし、この「ナッツ狂騒曲」が続く限り、いずれ私たちの家計にもその波が押し寄せるのは避けられないかもしれません。

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