日本のインフラが大きな転換期を迎えようとしています。国土交通省の発表によれば、建設から50年以上が経過し老朽化が進む道路や橋梁の割合は、2018年時点の25%から、2033年には約6割にまで急増する見込みです。こうした背景から、ただ維持補修を行うだけでなく、道路そのものに太陽光発電機能を持たせる「発電する道路」など、付加価値の高い次世代技術への期待が急速に高まっています。
SNS上でも「道路が発電するなんてSFの世界みたい」「ボロボロの道が最新設備に変わるなら増税も納得できる」といった、期待と驚きを交えたポジティブな反応が目立ちます。既存のインフラ更新を単なるコストと捉えず、エネルギー問題の解決策に変えるという発想の転換は、多くの国民から強い関心を集めているようです。こうした革新的な試みは、今後の都市デザインを根本から塗り替える可能性を秘めているでしょう。
異業種の技術が融合!カメラや時計の技術がインフラを守る
2019年2月、国土交通省はインフラ点検の要領を改正し、これまでの近接目視に代わってドローンや高性能カメラの活用を認めました。この規制緩和が呼び水となり、ゼネコン以外の異業種が持つ独自のノウハウがインフラ市場へ流入しています。例えば事務機器大手のリコーは、デジタルカメラで磨いた画像処理技術を応用しました。ステレオカメラを搭載した車両を走らせるだけで、路面の傷を詳細に解析できる新システムを展開しています。
さらに、精密機器メーカーのカシオ計算機は、あの頑丈な腕時計「G-SHOCK」で培った耐衝撃技術を転用しました。センサーを内蔵した特殊なネジを開発し、構造物のわずかな歪みや経年変化をリアルタイムで監視することに成功しています。こうした「異分野の知」が結集することで、従来の手法では見落とされがちだった微細な予兆を察知し、より安全で効率的なメンテナンスが実現する時代がまさに今、幕を開けようとしているのです。
30年で194兆円の巨額投資を「攻めのインフラ輸出」へ
今後30年間で必要とされるインフラ更新費用は、最大で194兆円に達すると推計されています。この莫大な公的資金を単なる修理費用として終わらせるのではなく、次世代モビリティであるCASE(自動運転や電動化などの総称)への対応など、新産業の育成に繋げることが不可欠です。道路が発電し、センサーが自律的に異常を知らせる高度なインフラは、低コスト化が進めば日本の強力な武器になるに違いありません。
編集部の視点としては、この動きを単なる「老朽化対策」と見るのは時期尚早だと考えます。世界に先駆けてノウハウを蓄積し、システムとして海外へパッケージ輸出することができれば、日本経済を支える新たな柱となるでしょう。コスト面での課題は依然として大きいものの、技術立国としての意地を見せ、持続可能な社会基盤を構築する好機と捉えるべきです。2019年11月13日現在、日本は今、インフラの定義を再定義する入り口に立っています。
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