日本を代表する総合電機メーカーである日立製作所が、世界市場での競争力を一層高めるべく、新たな布陣を整えました。2019年10月1日付で発表された今回の人事異動は、同社が進める「社会イノベーション事業」のグローバル展開を加速させるための象徴的な一手と言えるでしょう。
経営の舵取り役として、レベント・アラバチ氏が「グローバルオペレーションズCTrO」に就任しました。ここで注目したいのが「CTrO」という役職です。これは「チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー」の略称で、組織全体の抜本的な改革を推進する責任者を指します。単なる業務改善に留まらず、企業のあり方そのものを進化させる重責を担っています。
また、同社の成長エンジンである鉄道事業においても、大きな動きがありました。鉄道ビジネスユニットの「COO Signalling/Turnkey」として、ジュゼッペ・ガウディエロ氏が抜擢されたのです。ガウディエロ氏は、以前はグループ傘下である日立レールSTSのCTO(最高技術責任者)を務めていた人物であり、その技術的知見は折り紙付きです。
彼が担当する「Signalling(シグナリング)」とは鉄道信号システムのことであり、「Turnkey(ターンキー)」とは、設計から建設、運用までを丸ごと請け負う契約形態を意味します。つまり、日立が車両を売るだけのメーカーから、鉄道インフラ全体をマネジメントする「サービスプロバイダー」へと完全にシフトしたことを象徴する人事ではないでしょうか。
このニュースに対し、SNS等のネット上では「日立のグローバル化が本気すぎる」「海外のプロフェッショナルを中枢に据えるスピード感が凄い」といった、驚きと期待の入り混じった反響が広がっています。日本企業特有の旧来的な体制を打破し、多様な専門性を取り入れる姿勢は、多くのビジネスマンに刺激を与えているようです。
私自身の見解としても、今回のように海外拠点の経験豊富なリーダーを本社の要職に据える戦略は、非常に合理的かつ攻めの姿勢を感じます。特に鉄道分野におけるシステム外販の強化は、長期的な収益基盤を作る上で不可欠です。日立が「世界のHITACHI」としてどのような革新を今後も見せてくれるのか、その行方から目が離せません。
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