2019年12月02日、スポーツ界に新たな歴史が刻まれました。東京五輪の出場権を懸けたクライミングの予選大会において、若干17歳の伊藤ふたば選手が見事な逆転優勝を飾ったのです。最後の種目である「リード」を終えた瞬間、彼女は力を出し切り「もう届かないかもしれない」と肩を落としていました。しかし、掲示板に表示されたリザルトを見た瞬間、その表情は驚きと最高の笑顔に塗り替えられたのです。
今回の勝利の決定打となったのは、中盤に行われた「ボルダリング」での圧倒的なパフォーマンスでしょう。ボルダリングとは、高さ5メートルほどの壁に設置されたコースを、制限時間内に何度挑戦して登り切れるかを競う種目です。伊藤選手は、形状も難易度も異なる3つの課題に対し、わずか合計5回のトライですべてを攻略する「全完登」を成し遂げました。まさに有言実行の精神が呼び込んだ、執念の1位奪取といえます。
特に観客を熱狂させたのが、勝負の分かれ目となった第3課題です。ライバルである森秋彩選手が一発で登り切る「一撃」を決めた直後、伊藤選手には凄まじいプレッシャーがのしかかりました。「自分も一撃しなければ1位はない」と自らを追い込み、冷静にコースを分析する姿には、ベテランのような風格すら漂います。持ち前の柔軟性と卓越したバランス感覚を武器に、見事に完登を決めたシーンは圧巻の一言でした。
SNS上でも「ふたばちゃんの集中力が異次元」「プレッシャーの中で一撃を決めるメンタルに痺れた」と、称賛の声が相次いでいます。彼女の強みは、ボルダリングだけではありません。日本勢が一般的に苦戦を強いられる、登る速さを競う「スピード」種目でも4位に食い込む健闘を見せました。これには日本代表の安井ヘッドコーチも、弱点のない「器用なマルチタイプ」として、その類まれな才能に太鼓判を押しています。
私自身の視点から見ても、今回の伊藤選手の戦いぶりは、技術以上に「勝負強さ」が際立っていたと感じます。10代という若さで、五輪切符がかかった極限状態の舞台を楽しみ、修正能力の高さを証明したことは驚異的です。現在は国際連盟などの裁定を待つ身ではありますが、この日の彼女の登りは、間違いなく世界トップクラスの輝きを放っていました。未来を背負う逸材の、今後の飛躍から目が離せません。
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