2019年12月02日、名古屋市の教育委員会から衝撃的な事実が発表されました。市立小学校に通う5年生の男子児童が、複数の同級生から執拗に現金を要求され、自宅から多額の資金を持ち出していたというのです。その総額は10万円から20万円という、小学生が扱うにはあまりに高額な範囲に及んでおり、教育現場に激震が走っています。
事態の発端は2019年08月から2019年10月にかけての出来事でした。被害に遭った男児は、同級生6人から「お金をくれないなら仲間外れにする」といった脅しを受けていたと報じられています。断れば自分の居場所がなくなるという恐怖心から、彼は自宅にある500円玉貯金箱から十数回も現金を持ち出し、友人たちに手渡してしまったのでしょう。
手渡された現金は、商業施設のフードコートでの飲食費や、ゲームセンターでの遊び代として瞬く間に消えていきました。SNS上では「これが本当に小学生のすることなのか」「心の傷が心配すぎる」といった、驚きと憤りの声が数多く寄せられています。単なる子供の火遊びでは済まされない、人間関係を利用した卑劣な搾取の構図が透けて見えるようです。
事態が明るみに出たのは、2019年10月08日に保護者が貯金箱の異変に気づき、学校へ相談したことがきっかけでした。さらに、同月11日には愛知県警にも相談が持ち込まれ、学校側も事態を重く見て市教委へ報告を行っています。これを受け、警察は関与した同級生とその保護者に対して、厳しい内容の厳重注意を実施したとのことです。
いじめ防止対策推進法の「重大事態」とは?
名古屋市教委は2019年12月02日付で、本件をいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に認定しました。この「重大事態」とは、いじめによって児童の生命や心身に大きな被害が生じた疑いがある場合や、今回のように多額の金品被害が発生した際に適用される、極めて深刻な判断基準を指す専門用語なのです。
河村たかし市長は同日の記者会見にて、子供を日本一応援する街を目指す中でこのような事件が起きたことに対し、強い遺憾の意を表明しました。今後は第三者による詳細な調査が行われる見通しですが、金銭が絡むいじめは一度定着するとエスカレートしやすく、早期発見がいかに困難であるかを物語っているのではないでしょうか。
私は今回の事件を通して、学校という閉鎖的なコミュニティにおける「同調圧力」の恐ろしさを痛感せずにはいられません。加害側はもちろん、見て見ぬふりをした周囲の環境にも問題があるはずです。大人が子供たちの「小さな変化」に敏感になり、SOSを受け止める体制を再構築することが、今まさに求められているに違いありません。
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