次世代の通信インフラとして世界中が熱視線を送る「5G(第5世代移動通信システム)」の整備が、2019年12月03日現在、猛烈なスピードで進んでいます。高速・大容量、低遅延、そして多数の機器を同時に接続できるという革新的な特徴は、私たちの生活を根本から変える可能性を秘めているでしょう。
ネット上では「動画がサクサク見られる」といった速度面に注目が集まりがちですが、本質はそこではありません。慶応義塾大学の国領二郎教授は、5Gを単体の技術として見るのではなく、あらゆるモノがネットに繋がる「IoT」や人工知能(AI)、クラウド等と融合した「巨大なビジネスエコシステム」として捉えるべきだと提言されています。
「現場」こそが最強の付加価値を生む
4Gまでの通信は、主に「人間同士」の情報交換が主役でした。しかし、2019年12月03日の視点から未来を予測すると、5Gは車やドローン、農機具から日常の自転車に至るまで、あらゆるモノの動きをリアルタイムで制御する基盤になります。ここで生まれる膨大な「現場データ」こそが、新しい富の源泉なのです。
例えば、高齢者のもとへ自動運転車を即座に派遣するサービスも、この高度な通信網があって初めて実現します。SNSでも「地方の交通弱者救済に期待」といった声が多く上がっており、単なる利便性向上を超えた、社会課題の解決を後押しする力として大きな期待が寄せられているようです。
また、モノを売るビジネスから、移動をサービスとして提供する「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」のような、所有しない利用形態へのシフトも加速するでしょう。これらは高価な製品から始まり、やがて身近な日用品へも波及していくはずです。企業には、既存の枠組みを壊すビジネス創造力が問われています。
日本がGAFAに反撃する「エッジ」の好機
注目すべきは「エッジコンピューティング」の進展です。これは、中央の巨大なサーバー(クラウド)ではなく、データの発生源に近い場所(エッジ)で情報を処理する技術を指します。5Gの低遅延を活かすには必須の技術であり、現場に強い日本企業にとっては、米国勢が独占してきたクラウド主導の勢力図を塗り替えるチャンスです。
一方で、国領教授はデータ活用の「倫理」についても警鐘を鳴らしています。個人情報の管理やAIの判断への信頼をどう構築するかという課題です。西洋の個人主義や中国の国家管理型とは異なる、日本らしい「人と機械の共生」という視点を社会制度として提案できるかが、世界をリードする鍵となるでしょう。
私自身の見解としても、5Gは単なる「通信の進化」ではなく、産業の「再定義」だと考えます。技術スペックを競う段階は終わり、その上でどんな「体験」を描けるかが勝負の分かれ目です。日本が「現場の強み」をデジタルに変換できれば、失われた20年を取り戻す最大の好機になるに違いありません。
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