日本のものづくり現場がいま、かつてない進化の時を迎えています。2019年11月に東京ビッグサイトで開催された「IIFES 2019」では、計測・制御機器の主要メーカーが最新のテクノロジーを駆使した解決策を次々と披露しました。かつての展示会が装いを変え、最先端の知見が集結する場へとアップデートされた事実に、業界全体の本気度が伺えるでしょう。
中でも大きな注目を集めたのが、オムロンによる次世代通信規格「5G」の活用提案です。会場では、作業員の骨格の動きをカメラで捉え、熟練者の動作と比較して可視化する驚きの技術が紹介されました。5Gの特徴である「高速・大容量」「低遅延」を活かせば、膨大な映像データも瞬時に解析できます。効率的な動きを現場へ即座にフィードバックできる点は、まさに魔法のようです。
ネット上では「職人の技を数値化できる時代が来た」といった驚きの声や、「5Gが単なるスマホの進化ではないことを実感した」という期待感が広がっています。今後はNTTドコモやノキアと協力し、滋賀県の草津事業所で本格的な実証実験が進められる予定です。このように異業種が手を取り合う姿は、複雑化する課題を解決するために不可欠なプロセスといえます。
中小企業にもIoTの光を!富士電機の挑戦
一方で、導入のハードルを劇的に下げたのが富士電機の新製品です。生産設備の異常を事前に察知する「IoT(モノのインターネット)」システムは、これまでコスト面で断念する企業も少なくありませんでした。しかし、新たに登場した「サインアイエッジ」は、既存の制御装置に接続するだけで手軽に運用が可能です。
特筆すべきは、100万円を切るという圧倒的な低価格を実現した点でしょう。同社の担当者が「競合の10分の1に抑えた」と語る通り、資金力に限りがある中小企業でも導入しやすい価格設定は、日本の製造業全体の底上げに繋がる英断です。2019年11月から販売が開始されており、2022年度には年間1億円の売上を目指すという目標も、現実味を帯びています。
さらに、計測のスペシャリストであるアズビルは、極微量の液体を正確に測る流量計や、AIによる生産計画の自動立案システムを提案しました。AIと計測技術を掛け合わせることで、工場が自ら判断して動く「自律化」を目指す姿勢には、未来の工場のあり方が示されています。人が介在せずとも最適化されるプロセスは、人手不足解消の切り札になるはずです。
三菱電機が披露した、協働ロボットと人が共存するスマートウォッチの生産ラインも見逃せません。カメラで障害物を検知して衝突を避ける技術は、安全性と生産性を両立させる重要な鍵となります。各社が競い合いながらも、ネットワーク規格の団体同士が協力する姿勢を見せていることは、今後の産業界において「競争と協調」のバランスが重要であることを物語っています。
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