2019年11月13日、全国地方銀行協会の笹島律夫会長が記者会見を行い、2019年4月から9月期における地方銀行の決算状況について言及しました。会長の口からは、低金利環境が続く中での収益確保の難しさと共に、ある不穏なキーワードが飛び出しています。
それは、融資先企業による「粉飾決算」の顕在化です。粉飾決算とは、売上を水増ししたり損失を隠したりすることで、企業の経営成績を実際よりも良く見せかける不正行為を指します。銀行はこの虚偽の数字を基に融資判断を下すため、事態は非常に深刻です。
SNS上では「地銀の審査能力が問われているのではないか」といった厳しい意見や、「見えないところで経営破綻の足音が聞こえる」という不安の声が広がっています。企業の資金繰りが維持されている間は表面化しにくいため、発見が遅れる点も大きな問題でしょう。
本来、景気が堅調であれば企業業績も上向き、銀行が融資の焦げ付きに備える「与信費用」は減少するものです。しかし、足元では複数の銀行から融資を受ける企業の経営が悪化し、各行が競うように引当金を積み増す事態が発生しており、収益を圧迫しています。
笹島会長は、現在の状況を「景気後退による引き当ての増加」とは断定していません。しかし、後になって不正が発覚するケースが目立っているという事実は、地方経済の根底に潜む歪みを象徴しているようで、編集部としても注視すべき事態だと考えています。
銀行側には、単なる数字の精査に留まらない、企業の「実態」を見抜く高度な目利き力が今こそ求められています。不透明な経済情勢だからこそ、地方銀行には地域経済の番人として、より誠実で厳格な融資姿勢を貫いてほしいと強く願わずにはいられません。
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