画像処理チップの世界的リーダーであるイスラエルのモービルアイ社が、私たちの移動概念を根本から覆そうとしています。2019年12月03日、都内で行われた会見にて、同社は2022年にも自動運転タクシーサービスを世界規模で開始する衝撃的な計画を発表しました。これまで車載カメラを通じてドライバーの安全を守ってきた技術が、ついに「運転手のいない移動サービス」として結実しようとしているのです。
SNS上では「ついに映画のような世界がやってくる」「イスラエルの技術力なら実現性は高い」といった期待の声が溢れています。一方で、複雑な日本の道路事情への対応を懸念する意見も見られますが、同社の歩みは止まりません。現在、すでにフランスや本国イスラエルにおいて実証実験や法整備への働きかけを加速させており、2022年のサービスインは現実味を帯びた具体的なターゲットとして設定されています。
高額な自動運転車を「タクシー」で普及させる逆転の発想
自動運転を実現するシステムは非常に高価であり、個人が所有するにはまだハードルが高いのが現状です。そこでモービルアイ日本法人の川原昌太郎代表取締役は、タクシーサービスとしての展開に商機を見出しました。法人による運用であれば初期費用の回収が容易であり、車両のメンテナンス管理も徹底できるため、安全性の担保と普及を両立できるという合理的な判断です。
この戦略は、次世代の移動概念である「MaaS(マース)」の核心を突いています。MaaSとは「Mobility as a Service」の略称で、自家用車以外の移動手段をITで統合し、一つのサービスとして提供する仕組みを指します。2030年には約17兆円を超えるとも予測される巨大市場において、同社は日産やBMWといった既存の顧客メーカーとも手を取り合い、新たなパートナーシップを模索していく方針でしょう。
走るセンサーが都市を変える!地図情報を超えたデータビジネスの衝撃
モービルアイの真の強みは、単なる自動運転車両の製造に留まりません。世界中を走る同社製カメラ搭載車から集まる膨大な「走行データ」こそが、都市計画を激変させる鍵となります。これは「高精度地図」と呼ばれる、cm単位の正確な道路情報を構築する技術に応用されます。信号機や標識の位置、路面の細かな破損状況までをリアルタイムで把握できるシステムは、インフラ管理の救世主となるはずです。
私は、このデータ外販ビジネスこそが同社の収益構造を劇的に進化させると確信しています。英国の測量機関との連携では、すでに年間7000万ドル規模の収益が見込まれており、単なる部品メーカーから「都市のOS」を担うプラットフォーマーへの転換を感じさせます。競合するデンソーやボッシュといったメガサプライヤーとの激しい主導権争いは避けられませんが、カメラ特化型の独自進化を遂げた彼らの優位性は揺るぎないでしょう。
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