5Gが救世主になるか?2020年の世界半導体市場は5.9%成長へ、期待と不安が交錯するシリコンサイクルの行方

世界のデジタル社会を支える「産業のコメ」、半導体市場が大きな転換点を迎えています。主要メーカーで構成される世界半導体市場統計(WSTS)は2019年12月03日、2020年の市場予測を公表しました。その内容は、市場規模が前年比で5.9%増加し、約4330億ドル(日本円で約47兆円)に達するというものです。一見するとポジティブな回復傾向に思えますが、実は2019年06月時点の予測からは下方修正されており、業界内には慎重なムードが漂っています。

かつてない盛り上がりを見せた2018年のピークと比較すると、完全な「V字回復」への道筋は少し遠のいた印象を拭えません。SNS上では「スマホの買い替えサイクルが鈍化しているのでは?」「5Gが本格化するまで我慢の時期か」といった、ユーザーのリアルな懸念や冷静な分析が飛び交っています。ITの進化に欠かせない半導体だからこそ、その動向には投資家だけでなく、最新ガジェットを愛する消費者の視線も熱く注がれているのが現状です。

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シリコンサイクルの荒波と5Gへの期待感

半導体業界には、数年単位で好不況を繰り返す「シリコンサイクル」という特有の波が存在します。2019年はこの周期の谷にあたり、市場規模は前年比12.8%減の4089億ドルまで落ち込む見通しです。この減少幅は、世界経済を震撼させた2009年のリーマン・ショック時の記録すら上回る勢いであり、業界が直面している試練の大きさを物語っています。これまでの急成長に対する調整局面とはいえ、現場の緊張感は非常に高いと言えるでしょう。

しかし、希望の光も確実に見え始めています。2020年は世界各国で次世代通信規格「5G」の商用サービスが本格化するため、スマートフォンの頭脳にあたる「ロジック半導体」の需要が底上げされる見込みです。ロジック半導体とは、データの演算や処理を司る非常に重要なパーツであり、WSTSもこの分野が6.5%のプラス成長に転じると予測しています。高速・大容量通信が当たり前になる未来を目前に控え、関連インフラへの投資が市場を牽引するのは間違いありません。

編集部が斬る!メモリ市場の停滞をどう乗り越えるか

一方で、今後の懸念材料として挙げられるのが「半導体メモリ」の動向です。データを記録する役割を持つメモリは、過去数年間の過剰な増産投資が響き、2019年は前年比33%減という厳しい落ち込みを見せました。2020年はわずかな回復が見込まれるものの、成長率は4.1%という控えめな数字に留まっています。私個人の見解としては、ハードウェアの供給過剰を解消するには、5GだけでなくAIや自動運転といった「データを大量消費する新技術」の普及が不可欠だと考えています。

現在は、いわば嵐が去るのを待つ「夜明け前」の状態です。専門家からも「本格的な市況の好転は2020年の春頃になる」との声が出ており、あと数ヶ月の辛抱が必要かもしれません。最先端の5Gスマホが人々の手に渡り始め、基地局の整備が進むことで、再び半導体が黄金時代を築く日は必ずやってきます。今は数字の一喜一憂に惑わされず、次なる技術革新の波に備えて、どの企業が次世代の覇権を握るのかを注視していくべきでしょう。

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