京セラが挑む「太陽光ビジネス」の劇的転換!初期費用ゼロの革新サービスとIoTで赤字脱却へ

日本のモノづくりを象徴する巨頭、京セラがいま、大きな変革の荒波の中にいます。2019年12月05日、谷本秀夫社長は苦境が続く環境事業において、「モノ売り」から「サービス提供」へと収益構造を劇的にシフトさせる戦略を明らかにしました。これまで同社を支えてきた太陽光パネル販売が、中国や韓国勢との熾烈な価格競争に晒される中、製品単体で利益を追うモデルから、長期的な顧客接点を重視するサブスクリプション的なビジネスへの転換を図っています。

2019年4~9月期の決算では生活・環境分野で赤字が残るものの、太陽光パネル単体では8月以降に黒字化を達成するなど、復活の兆しが見えてきました。SNS上でも「京セラのパネルは耐久性が高いだけに、新サービスへの期待は大きい」「初期投資ゼロなら導入を検討したい」といった前向きな反応が目立ちます。再生可能エネルギーの主力電源化が叫ばれる現代において、同社の動向は、単なる一企業の再建劇を超えた、日本のエネルギー産業の未来を占う試金石と言えるでしょう。

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世界初の技術と異業種タッグで描く新機軸

京セラの反撃の狼煙は、最先端の技術投入にあります。2020年1月には、世界初となる「クレイ型家庭用蓄電池」の発売を予定しています。これは、電極に粘土状の材料を用いることで、従来の液体式に比べ低コストかつ長寿命を実現した画期的な製品です。蓄電池は、太陽光で発電した電気を貯めて効率的に使う「自家消費」の鍵を握るデバイスであり、滋賀の工場では量産体制の構築が進んでいます。さらに、東京ガスと連携した「エネファームミニ」など、外部パートナーとの協業も加速しています。

特に注目すべきは、2019年10月から関西電力と開始した、家庭向け太陽光発電設備の「無償設置サービス」です。これは顧客の初期投資負担を実質ゼロに抑え、設置された設備で発電した電力を販売したり、リース収入を得たりすることで収益を上げる仕組みです。専門的な言葉を使えば、これは「PPA(電力販売契約)モデル」に近い戦略であり、顧客にとっては家計に優しく、企業にとっては中長期的な安定収益が見込める「三方よし」の形を目指しているのです。

IoTとAIが支える「地産地消」の未来予想図

2019年11月から、家庭用太陽光の固定価格買い取り制度(FIT)が順次終了し、エネルギー市場は大きな転換点を迎えています。FITとは、再生可能エネルギーで発電した電気を、国が定める価格で電力会社が買い取ることを約束した制度ですが、この期間が終わることで、売電よりも「自分で作って自分で使う」地産地消の価値が高まっています。谷本社長は、あらゆるモノがネットに繋がる「IoT」や「AI(人工知能)」を駆使し、エネルギー管理を最適化することで、サービスの収益性をさらに引き上げる考えです。

私は、京セラのこの戦略を非常に賢明だと評価します。パネル自体の製造に固執して消耗戦を続けるのではなく、信頼のブランド力を背景に「電力のプラットフォーマー」を目指す姿勢は、製造業が生き残るための正攻法です。三菱電機が太陽光システムの製造から撤退を決めるなど、業界再編の嵐が吹き荒れる今、京セラが「特定の色が付いていない」という柔軟な立場を活かし、どこまで異業種との連携を深められるかが、2020年3月期の黒字化達成に向けた最大の鍵となるでしょう。

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