京セラが挑む「電池革命」!次世代リチウムイオン電池でコスト3割減、2020年度の量産化へ【卒FITの救世主】

2019年6月22日、エネルギー業界に激震が走るようなニュースが京セラから発表されました。なんと、従来の製造コストを約3割も削減できる「次世代型リチウムイオン電池」の開発に成功したというのです。私たちの生活に欠かせないスマートフォンや電気自動車、そして住宅用蓄電池。これらすべてに関わる電池技術のブレイクスルーは、まさに革命と呼ぶにふさわしい出来事ではないでしょうか。

京セラはこの技術を用いた試験ラインを、年内にも大阪府内の事業所に設けるとのことです。そして早ければ、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年度中にも、住宅や工場向けの蓄電池として量産に乗り出す計画を明らかにしました。これまで再生可能エネルギー普及の大きな壁となっていた「導入コスト」の問題が、この技術革新によって大きく前進する可能性が出てきたのです。

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「粘土状」が鍵?画期的な製造プロセスとは

では、具体的にどのような技術革新があったのでしょうか。一般的なリチウムイオン電池は、正極と負極の間を「電解液」という液体で満たす構造になっています。しかし、今回京セラが開発したのは、この電解液を電極に練り込んで「粘土状」にするという驚きの技術なのです。これにより、電池の構造を劇的にシンプルにすることに成功しました。

従来必要だった、電極を仕切るための「セパレーター(分離膜)」や、電気を集める「集電体」といった部材を大幅に減らすことができるため、原材料費を従来型よりも約3割カットできるというわけです。また、液体のように燃えやすい電解質を使用しないため、破損時の発火や発煙のリスクも低減されます。安くなるだけでなく、安全性も向上するとなれば、まさに一石二鳥の技術と言えるでしょう。

ネット上の反応と迫りくる「2019年問題」

このニュースに対し、SNS上では早くも大きな反響が寄せられています。「蓄電池が安くなれば、やっと太陽光発電の恩恵をフルに受けられる」「京セラの技術力すごい。安全性が高いのは家庭に置く上で一番重要」といった期待の声が多く見られます。一方で、「2020年度量産なら、もう少し早く欲しかった」という切実な意見も散見されます。これには、今年11月に控えるある事情が関係しています。

それは、いわゆる「卒FIT」の問題です。2009年に開始された太陽光発電の余剰電力買取制度(FIT)が、2019年11月以降、順次期間満了を迎える家庭が出てきます。これまでのように高く電気を売れなくなるため、作った電気を自宅で使う「自家消費」へのシフトが急務となっています。しかし、現在の一般的な家庭用蓄電池は100万円前後と非常に高価で、導入を躊躇する家庭が少なくありません。

編集後記:エネルギーの「地産地消」実現へ

私自身、このニュースには非常に大きな希望を感じています。京セラの主力事業である太陽光発電システムと、この安価で安全な次世代電池が組み合わされれば、再生可能エネルギーの普及スピードは格段に上がるはずです。これまで「高嶺の花」だった蓄電池が身近な家電の一つになれば、各家庭が小さな発電所となり、エネルギーを自給自足する未来も夢ではありません。

まずは住宅や工場向けからのスタートとのことですが、この技術がさらに洗練されれば、将来的にはモバイル機器やEVへの転用も期待できるかもしれません。2020年度の量産開始に向け、京セラの今後の動きから目が離せません。

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