シンガポールの政府系投資会社として世界的に知られるテマセク・ホールディングスの傘下企業が、非常に刺激的な新ファンドを設立しました。この動きに呼応するように、2019年12月06日、三井住友銀行や丸紅、日本政策投資銀行、アビームコンサルティングといった日本を代表する企業群が、この新ファンドへの出資を決定したことが報じられています。
今回の投資先は、テマセク傘下でスタートアップ投資の中核を担うバーテックス・ベンチャー・ホールディングスが組成したファンドです。投資金額は、丸紅が5000万ドル(約55億円)、三井住友銀行が2000万ドルにのぼります。すでに出資を済ませているリサ・パートナーズやあおぞら銀行などを合わせると、日本勢の総出資額は実に1億8000万ドルに達しました。
これは新ファンドの総額である7億3000万ドルの約25%を占める規模であり、日本企業の並々ならぬ意欲が伺えます。ネット上では「日本企業の保守的なイメージを覆す攻めの姿勢だ」「テマセクという世界最強クラスの看板に乗る戦略は賢明」といった、期待に満ちた反響が数多く寄せられているようです。
新興国の「ユニコーン」候補と日本企業を繋ぐ新たな戦略
このプロジェクトの真の目的は、単なる資金運用にとどまりません。三井住友銀行を含む日本勢5社は、ファンドが出資する中国やインドの新興企業と日本企業の提携を仲介する特別な枠組みを構築します。これにより、技術連携や資本提携、さらには企業の買収までを強力に後押しする体制が整うことになるでしょう。
ここで注目すべきは、あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」や、急速に進化を遂げる「人工知能(AI)」分野の有望なスタートアップです。IoTとは、冷蔵庫や工場設備などがネット経由でデータをやり取りする技術を指しますが、こうした最先端技術を持つ新興企業は、イノベーションを求める日本の大企業にとって喉から手が出るほど欲しい存在です。
また、未上場ながら企業価値が10億ドルを超える「ユニコーン」と呼ばれる超有望企業の卵を発掘することも、このファンドの大きな使命です。バーテックスは、東南アジアの配車サービス最大手であるグラブへの初期投資を成功させた実績があり、その目利き力には世界中から熱い視線が注がれています。
海外のスタートアップにとっても、日本企業が持つ成熟した技術力や広大な顧客ネットワークは非常に魅力的です。私は、この提携が日本企業のデジタル変革を加速させるだけでなく、世界市場におけるプレゼンスを取り戻す大きな転換点になると確信しています。日本とアジアの知恵が融合する、新しいビジネスの形から目が離せません。
コメント