桃田賢斗が見せた「絶対王者の孤独と覚悟」とは?北島康介が全日本総合選手権で感じた五輪への鼓動

常に「最強」の名を欲しいままにするアスリートは、一体どのような景色を見ているのでしょうか。競泳金メダリストの北島康介氏が、バドミントン界の至宝・桃田賢斗選手のプレーを追うため、2019年12月1日に決勝が行われた全日本総合選手権の会場へ足を運びました。

世界ランキング1位として君臨する桃田選手にとって、国内大会は「勝って当たり前」という過酷な期待が寄せられる場所です。本人も海外遠征よりプレッシャーがかかると漏らすほどですが、コート上で見せた姿は、更なる高みを目指す開拓者のそれでした。

SNSでは「桃田選手の精密機械のようなコントロールに鳥肌が立った」といった称賛の声が溢れています。かつては守備重視のスタイルという印象もありましたが、今大会では積極的に攻めに転じる姿勢が際立ち、圧倒的な強さで優勝を飾りました。

スポンサーリンク

一瞬の隙も見逃さない「眼力」と精神の駆け引き

五輪に2度出場した池田信太郎氏によれば、相手がミスをした瞬間に桃田選手が放つ鋭い視線には、凄まじい迫力があるそうです。対戦相手の心が折れる瞬間を見逃さず、精神的な優位を確実なものにする技術は、まさに勝負師の真骨頂と言えるでしょう。

ここで注目したいのが、トップアスリートのメンタリティです。一般的に「心が折れる」という言葉が使われますが、これは精神的な支柱を失う状態を指します。一度こうなると立て直しは困難なため、選手自らはこの表現を避けるべきだと北島氏は説きます。

バドミントンはセット間で気持ちを切り替える猶予がありますが、競泳の短距離種目は一度の感覚のズレが致命傷となります。立て直しのきかない世界で戦ってきた北島氏からすれば、バドミントンの「挽回のチャンス」は羨ましくも映るようです。

「感謝」の言葉に秘めた五輪への並々ならぬ覚悟

試合後の桃田選手は「五輪で勝ちたい」と安易に口にはしません。代わりに「恩返し」や「応援される選手になりたい」と語ります。挫折を経験し、人間としての弱さも知る彼だからこそ、その言葉には多くのものを削ぎ落とした静かな覚悟が宿っています。

私自身の視点では、この「感情の抑制」こそが今の彼の強さの源泉だと感じます。圧倒的な王者は常にライバルから隙を狙われる宿命にあります。情に流されず、自分を厳格に律し続けることでしか、五輪という魔物が棲む舞台を制することはできません。

2020年の大舞台に向けて、桃田選手はこのまま加速し続けるはずです。また、かつて競泳少女だったという山口茜選手の復活も、ファンとして心待ちにしたいところです。一筋縄ではいかない勝負の世界、彼らの「覚悟」から今後も目が離せません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました