JPXが仕掛ける市場改革!大阪取引所と東京商品取引所の「営業融合」でデリバティブ市場はどう変わる?

日本取引所グループ(JPX)が、日本のデリバティブ市場を劇的に活性化させるための大胆な一手を投じました。2019年11月14日、グループ傘下の大阪取引所(大取)において、デリバティブ営業を担当する精鋭30名が、新たに仲間入りした東京商品取引所(東商取)の業務を兼務することが明らかになったのです。これは、10月に東商取がJPX傘下に入って以来、現場レベルでは初となる組織的な融合となります。

「デリバティブ」とは、株式や債券といった本来の金融商品から派生して誕生した「金融派生商品」を指す専門用語です。将来の特定の時期に、あらかじめ決めた価格で売買を約束する「先物取引」などがその代表例といえます。今回の兼務体制の構築は、いわば「金融のプロ」たちが、従来の株価指数だけでなく、金や原油といった「商品(コモディティ)」の魅力も併せて世界中の投資家へ一括して売り込んでいく決意の表れでしょう。

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海外マネーを呼び込む!シンガポール・香港拠点からの猛攻

今回の施策で特に注目すべきは、シンガポールや香港といったアジアの金融ハブに常駐するスタッフも兼務対象に含まれている点です。これらの地域には、AIを駆使して超高速で売買を繰り返す「HFT(高頻度取引)業者」や、多様な手法で利益を狙う「ヘッジファンド」が密集しています。日経225ミニ先物で実績のある大取の営業部隊が、東商取の看板商品である金先物やドバイ原油先物を直接提案することで、新たな資金流入が期待されます。

SNS上では、このニュースに対して「ようやく日本の市場も一体化が進むのか」「利便性が上がれば海外勢も参入しやすくなるはず」といった期待の声が寄せられています。一方で、長らく低迷が続いてきた国内の商品先物市場が、この組織再編によってどこまで息を吹き返すのか、その実効性を注視するシビアな意見も見受けられました。投資家たちの視線は、かつてないほど熱くこの「融合」に注がれているのです。

今後のスケジュールも非常に具体的です。2019年12月には、大取の山道裕己社長が東商取の代表取締役会長を兼務する予定となっており、経営トップ自らが陣頭指揮を執る体制が整います。そして2020年07月には、東商取の貴金属先物などが正式に大取へと移管される見通しです。この大規模な市場統合を前に、営業現場を先行して一体化させるスピード感からは、JPXの本気度がひしひしと伝わってきます。

編集者の眼:組織の壁を越えた「総合取引所」への進化

私は今回の動きについて、日本の金融市場が国際競争力を取り戻すための「ラストチャンス」ではないかと捉えています。JPXの清田瞭最高経営責任者(CEO)が「一刻も早い融合が不可欠」と語る通り、組織や人材の壁を取り払うことは、投資家にとっての利便性向上に直結します。株も、金も、原油も、一つの窓口でシームレスに取引できる環境こそが、グローバルスタンダードな「総合取引所」のあるべき姿といえるでしょう。

これまでの日本は、管轄の違いから金融と商品の市場が分断されており、それが投資家にとってのハードルとなっていました。しかし、今回の営業30名の兼務を皮切りに、人材交流が加速すれば、市場の流動性は格段に高まるはずです。単なる組織図の書き換えに留まらず、現場の営業担当者がいかにして商品先物の魅力を「再発見」し、海外の巨大資本を説得できるかが、今後の日本市場の命運を握っていると言っても過言ではありません。

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