2019年11月15日、国際社会が激動の渦中に置かれるなか、富士山会合において日米の有識者による白熱したパネル討論が開催されました。トランプ政権の誕生という予測不能な事態を経て、日米関係は今、かつてない転換点を迎えています。司会を務めた日本国際問題研究所の佐々江賢一郎理事長のもと、外交や経済の第一人者たちが、私たちが直面している真の課題について深い議論を交わしました。
リチャード・アーミテージ元米国務副長官は、現状の日米関係において、攻勢よりも「守り」の姿勢を貫くことの重要性を説いています。トランプ大統領が自身の政治的利益のために北朝鮮との取引を優先させるなか、日本の国益をいかに保護するかが鍵となるでしょう。また、2019年に甚大な被害をもたらした台風の影響に触れ、気候変動という地球規模の課題に対しても、日米が軍事協力を含めた新たな枠組みを検討すべき時期に来ています。
ポピュリズムの脅威とマクロ経済の監視体制
東洋大学の竹中平蔵教授は、世界各地で拡散する「ポピュリズム(大衆迎合主義)」の危険性に警鐘を鳴らしました。これは、政治家が有権者の感情に訴えかけ、論理よりも人気取りを優先させる手法を指します。このような潮流が、経済を停滞させる保護主義的な「その場しのぎ」の政策を招いているのが現状です。韓国の文在寅政権による動向を含め、日米が手を取り合って世界の経済状況を冷静に監視し続ける必要があるでしょう。
SNS上では、この「その場しのぎの政策」という言葉に対し、「目先の利益に惑わされる危うさを感じる」「日本も他人事ではない」といった、危機感を共有する声が多く上がっています。経済の安定は、一時的な感情論ではなく、緻密なマクロ経済の分析と国際的な連携によってのみ守られるものです。私たちが今、最も警戒すべきは、短期的な利益のために長期的な信頼関係を損なうことなのかもしれません。
デジタル貿易の夜明けと対中戦略の新ルール
貿易分野では、ウェンディ・カトラー元USTR次席代表代行が、先日合意に至った日米貿易協定を「不可欠な進歩」と高く評価しました。米国は農産品の市場開放を勝ち取り、日本は自動車関税の追加制裁を回避するという、互いの痛みを最小限に抑えた取引と言えます。今後は、この協定に含まれるデジタル貿易のルールを、いかに多国間へと広げていくかが焦点になります。
特に、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)に対抗する巨大な力を蓄えた中国の存在は無視できません。デジタル領域での覇権争いが激化するなか、中国を脅威とみなす米国の姿勢は今後も強まっていくでしょう。竹中教授も指摘するように、ビッグデータ活用における新しい国際ルール作りは急務です。日米が主導して透明性の高い秩序を構築することこそが、次世代の繁栄を約束する唯一の道ではないでしょうか。
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