静岡県内上場企業に激震?2019年中間決算から読み解く「製造業の苦境」と「内需の底力」

2019年11月14日、静岡県内に拠点を置く上場企業32社の2019年4月から9月期における決算が出そろいました。今回の発表では、全体の約6割に及ぶ18社で経常損益が悪化するという、非常に厳しい現実が浮き彫りとなっています。

特に製造業の落ち込みが顕著で、新興国経済の減速や円高の進行が直撃する形となりました。SNS上でも「スズキのような大手ですら苦戦するとは」「インド市場の冷え込みが想像以上で驚いた」といった、先行きの不透明感を不安視する声が目立っています。

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世界経済の荒波に揉まれる「ものづくり県」静岡

今回の決算で注目すべきは、外需に依存する製造業が受けたダメージの大きさでしょう。ここで言う「経常利益」とは、企業が本業以外も含めて経常的に稼ぎ出す利益を指しますが、32社全体の合計では前年同期比で30%も減少する結果となりました。

特にスズキは、主戦場であるインド市場の低迷が響き、この時期としては8期ぶりの減益を記録しています。社長自らが回復時期の不透明さを語るなど、自動車関連メーカーにとっては、まさに忍耐の時期と言える状況が続いています。

また、輸出企業にとっての天敵である「円高」も収益を圧迫する要因となりました。円高になると、海外で稼いだ外貨を円に換算した際に目減りしてしまうため、ヤマハのように本業の楽器事業が好調であっても、最終的な利益が削られてしまうケースが見受けられます。

逆境の中で光る!内需を捉えた非製造業の躍進

一方で、暗いニュースばかりではありません。製造業が苦戦する裏側で、生活に密着したサービスを展開する非製造業は、驚くほどの「底力」を見せています。損益が改善した13社のうち、実に8社がこの非製造業に分類される企業でした。

例えば、TOKAIホールディングスは、LPガスや通信事業の好調により、この期間として過去最高益を叩き出しています。さらに、ネット通販の拡大を追い風にした遠州トラックや、パソコン販売が伸びたZOAなど、時代のニーズを捉えた企業が躍進しています。

しかし、2019年10月の消費増税に伴う駆け込み需要が去った後の「反動減」については、経営者の間でも警戒感が強まっています。消費者の財布の紐が固くなれば、好調だった内需関連企業も、今後の景気減速の影響を避けられない可能性が高いでしょう。

編集部EYE:静岡経済は「変化への適応」を試されている

今回の決算を見て私が感じるのは、特定市場への依存が持つリスクの大きさです。製造業は「インド市場」や「為替」という自社ではコントロールしにくい要因に振り回されましたが、これは静岡経済が世界と密接に繋がっている証拠でもあります。

今後、製造業がどれだけ早く新技術や新市場へシフトできるか、そして非製造業が増税後の冷え込みをどう乗り越えるかが鍵となります。静岡の企業が持つ高い技術力と柔軟な対応力を持ってすれば、この苦境を次なる飛躍への足がかりにできるはずです。

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