血液のがんとして知られ、かつては不治の病と恐れられた白血病。年間約1万3000人が発症するこの病の治療現場がいま、劇的な変化を遂げています。2019年11月25日現在の調査によると、特に進行の早い「急性白血病」において、新薬の登場や移植技術の向上により、高齢者や体力に不安がある方でも完治を目指せる時代が到来しているのです。
白血病は、血液細胞が作られる過程で遺伝子に異常が起き、がん化した細胞が無制限に増殖する病気です。成人に多い「骨髄性」と、子どもに多く見られる「リンパ性」に分類されますが、どちらも貧血や発熱、止血困難といった深刻な症状を伴います。最新の医療現場では、こうした過酷な病魔に対し、副作用を抑えつつ効果を最大化する戦略が取られています。
副作用を抑える「分子標的薬」と驚異の寛解率
治療の第一歩は、抗がん剤でがん細胞を減らす「寛解導入療法(かんかいどうにゅうりょうほう)」です。広島赤十字・原爆病院の事例では、69歳未満で90%、70歳以上でも79%という高い寛解率を達成しています。「寛解」とは、検査でがん細胞が検出されないほど減少した状態を指しますが、ここで油断せず、残った細胞を根絶する「地固め療法」を継続することが完治への鍵となります。
近年、特に注目されているのが「分子標的薬(ぶんしひょうてきやく)」の普及です。これは、がん細胞特有の分子を狙い撃ちする薬剤で、従来の抗がん剤に比べて脱毛や吐き気などの副作用が少ないのが特徴です。SNS上でも「高齢の家族が治療を受けられた」「日常生活の質を保ちながら闘病できる」といった前向きな反響が広がっており、医療の質の向上を実感する声が目立ちます。
移植の常識を覆す「ハプロ移植」の衝撃
化学療法だけでは完治が難しい場合、健康な血液を作る細胞を植え替える「造血幹細胞移植」が検討されます。これまでは白血球の型(HLA型)が完全に一致するドナーが必要でしたが、現在は「ハプロ移植(半合致移植)」という手法が急速に普及しています。これは型が半分だけ一致していれば移植が可能になる技術で、親子や兄弟、時にはいとこからも提供を受けられる画期的な方法です。
2017年には年間約400件が実施され、2019年からは公的医療保険の適用も認められるようになりました。名古屋第一赤十字病院のように、移植コーディネーターを配置してドナーの権利を守りつつ、迅速な移植体制を整える病院も増えています。型の一致を待つ間に病状が悪化するリスクを大幅に軽減できるこの技術は、まさに患者にとっての「希望の光」と言えるでしょう。
編集部が考える「これからの白血病治療」
今回の調査を通じて、医療技術の進歩だけでなく「支える体制」の充実が不可欠だと強く感じました。無菌室での感染症対策や、ドナーと患者の橋渡しをするコーディネーターの存在は、治療の成功率を支える裏の主役です。一方で、合併症の治療薬の中にはまだ保険が適用されないものもあり、今後の制度改善が待たれるところです。
がんと診断されることは本人にとっても家族にとっても大きな衝撃ですが、最新の知見を知ることは大きな力になります。5年間の再発がなければ根治とされる現在、治療後の定期検診を欠かさないことが、長く健康な人生を送るための鉄則です。医療の進歩は止まることなく、明日への扉を叩き続けています。
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