氷上の格闘技とも称されるスピードスケート・ショートトラックのワールドカップ(W杯)名古屋大会が、2019年12月01日に愛知県の名古屋市ガイシプラザで熱い最終日を迎えました。冷涼なリンクの空気とは対照的に、会場は若き才能の誕生に沸き立っています。男子1500メートル決勝において、長野・地球環境高校に通う18歳の現役高校生、林伊吹選手が見事な滑走を見せ、自身初となるW杯個人種目での3位入賞を果たしました。
ショートトラックは1周111.12メートルの短いトラックを数名の選手が同時に滑り、着順を競う競技です。抜きつ抜かれつの激しいポジション争いが醍醐味ですが、今回の林選手は冷静な判断力でその荒波を乗り越えました。若干18歳という若さで世界の強豪と肩を並べ、表彰台の一角を占めたことは、今後の日本スケート界に希望を抱かせる素晴らしいニュースです。SNS上でも「現役高校生が世界3位なんて凄すぎる!」と驚きの声が広がっています。
一方で、期待を集めていた実力者たちには試練の日となりました。林選手と共に決勝へ駒を進めた吉永一貴選手(中京大)は、レース終盤の勝負どころで惜しくも転倒を喫し、5位という結果に終わっています。また、前日の同種目で銅メダルに輝いた渡辺啓太選手(阪南大職)は、連日の疲れもあったのか、この日は9位と順位を落としました。一瞬のミスが順位を大きく左右するこの競技の厳しさが、改めて浮き彫りになった形です。
女子1500メートルに目を向けると、日本勢は菊池純礼選手(富士急)が12位、山浦美和子選手(佐久大)が14位と健闘しましたが、世界の厚い壁を実感するレース展開となりました。ショートトラックは、物理的な速さだけでなく、空気抵抗を避ける駆け引きや相手を翻弄するライン取りといった「戦略性」が求められます。上位進出には、こうした緻密なタクティクス(戦術)をさらに磨き上げる必要があるのかもしれません。
今回の大会を通じて、私は日本のショートトラック界に新しい風が吹いているのを強く感じます。ベテラン勢の安定感も大切ですが、林選手のような若手が国際舞台で結果を残すことで、チーム全体の底上げが期待できるでしょう。特に若さゆえの恐れを知らない攻めの姿勢は、見ていて非常に胸を打たれます。これからの成長から目が離せません。次戦以降、彼らがどのように進化を遂げるのか、引き続き注目していきたいところです。
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