日本のテクノロジー界を牽引するIoT(モノのインターネット)スタートアップのウフルが、注目されていた英ロンドン証券取引所への新規株式公開(IPO)を延期することを決定しました。2019年10月31日の上場を目前に控えていた同社ですが、世界経済を揺るがす政治情勢の余波を真っ向から受ける形となったようです。
延期の決定的な要因は、イギリスの欧州連合(EU)離脱、いわゆる「ブレグジット」を巡る市場の不透明感にあります。審査などの実務的なプロセスは既に完了していたものの、当初の離脱期限と上場予定日が重なったことで、現地の機関投資家が非常に慎重なスタンスをとる結果となりました。
SNS上では「この状況での強行突破はリスクが高すぎる」「賢明な判断だ」といった、経営陣の決断を支持する声が数多く上がっています。一方で、日本企業がロンドン市場の「AIM(新興企業向け市場)」へ挑戦するという野心的な試みだっただけに、一時的な足踏みを惜しむ反応も見受けられました。
ここで言う「IoT」とは、家電や車などあらゆる物がネットに繋がり、データをやり取りする仕組みを指します。また「機関投資家」とは、顧客から預かった多額の資金を運用するプロの投資組織のことです。彼らが財布の紐を固く締めた背景には、米国市場でIPO直後の株価が低迷する事例が頻発した影響もあるでしょう。
筆者の見解としては、無理に上場を強行して初値が暴落する事態を避けた今回の判断は、中長期的な企業価値を守るために不可欠な戦略だったと考えます。不透明な霧が立ち込める中で無理に船を出すよりも、凪を待つ勇気こそが、ステークホルダーに対する誠実な姿勢と言えるのではないでしょうか。
ウフルは2020年前半の実現を目指して、引き続き上場に向けた準備を継続する構えを見せています。世界的な市場環境が整い、同社の持つ革新的なIoTソリューションが正当な評価を受ける日が来るのを、投資家やファンは固唾を飲んで見守っている状況です。
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