移動の合間に、ふと「今すぐPCを開いて集中したい」と感じる瞬間はありませんか。そんなビジネスパーソンの願いを叶えるべく、JR東日本が駅構内で展開するシェアオフィス事業が大きな注目を集めています。2019年12月11日現在、その利便性の高さから会員数が急増している状況です。
特に話題を呼んでいるのが、15分150円(税別)という驚きの価格設定でしょう。駅直結という一等地にありながら、一般的なカフェでコーヒー一杯を注文するよりも安く、かつ確実に作業スペースを確保できる点が、コストパフォーマンスに敏感な層を惹きつけています。
集中できる個室から癒やしの「ヘブン」まで
提供されている施設は、大きく分けて2つのタイプが存在します。一つは2019年08月から東京駅や新宿駅などで展開が始まった「ステーションブース」です。これは電話の内容を周囲に聞かれたくない時や、短時間で一気に資料を仕上げたい時に最適なカプセル型の完全個室となっています。
もう一方は、2019年11月に東京駅の丸の内地下エリアに誕生した「ステーションデスク」です。こちらは開放感のあるオープン型ながら、プライバシーに配慮された設計が特徴と言えます。特筆すべきは「ヘブン」と呼ばれる、靴を脱いで足を伸ばせる贅沢な半個室シートです。
「ヘブン」では、まるで自宅のソファでくつろいでいるかのような感覚で業務に励むことができ、疲れた際には仮眠を取ることさえ可能です。他にもカフェ風の座席や集中カウンターなど、その日の気分や仕事の内容に合わせて、6種類の異なる席を選べる楽しみがあります。
隙間時間を「黄金の時間」へ変える戦略
JR東日本の強みは、何と言っても圧倒的な「駅の立地」にあります。不動産大手のシェアオフィスとは異なり、あえて一人での作業(ソロワーク)に特化した空間作りを徹底したことで、乗り換え待ちの15分を価値ある時間へと変えることに成功したのではないでしょうか。
SNS上でも「駅のホームから数分で個室に入れるのは神すぎる」「防音もしっかりしていてWeb会議に便利」といった称賛の声が相次いでいます。こうした反響を背に、2019年12月時点で会員数は1万5000人を突破しており、法人の契約も加速している様子が伺えます。
これまでの「移動=無駄な時間」という概念は、もはや過去のものとなりつつあります。私自身の視点としても、駅が単なる通過点ではなく、生活や仕事の質を高める拠点へと進化していく流れは、働き方改革を推進する上で非常に大きな意義を持つと感じてやみません。
今後は2020年度内に郊外を含む30拠点への拡大を目指しており、鉄道各社によるシェアオフィス競争も激化していくでしょう。東京メトロが託児機能付き施設を、東急が沿線に100店舗以上を展開するなど、通勤を快適にする新しいインフラの形が今、目の前で形作られています。
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