2019年12月12日、カレンダーも最後の一枚となり、時の刻みの速さを実感する季節がやってきました。セイコーウオッチの取締役常務執行役員を務める金川宏美氏は、1年間にわたるコラムの締めくくりとして、自身のキャリアの転換点と仕事の本質について熱く語っています。
金川氏は2019年12月1日付で大きな環境の変化を迎えました。持ち株会社から事業会社へと籍を移し、長年携わってきた腕時計の海外販売において、自身初となるアジア地域の責任者に抜擢されたのです。営業の最前線へと舞い戻った彼女の言葉からは、心地よい緊張感と新たな挑戦への意欲がひしひしと伝わってきます。
直近の3年8カ月、金川氏はスポーツや音楽を通じた「ブランディング」という未知の領域に挑んできました。ブランディングとは、企業や商品の価値を単なる機能以上に高め、顧客にとって唯一無二の存在にするための活動を指します。SNSでは「老舗のセイコーが新しい感性を取り入れている」と、その姿勢を支持する声も目立ちます。
この期間に交換した名刺は2500枚を超えたといいます。多くの出会いに助けられ、ネットワークを広げる中で、彼女は「無駄な経験など一つもない」という確信を得ました。もがき苦しんだ時間さえも、これからのアジア戦略において強力な武器になると信じるその姿は、多くの働く人々に勇気を与えることでしょう。
「ワンチーム」で挑む、時計が最も輝く季節
金川氏が最も大切にしている信念、それは「仕事のパートナーを尊重すること」です。目先の利益を追うのではなく、互いにリスペクトし、双方が最高の結果を得られる関係性を築くことこそが、目標達成の最短ルートだと彼女は説きます。これは社内のチームビルディングにおいても全く同じことが言えるでしょう。
2019年に日本中を沸かせたラグビーワールドカップの「ワンチーム」という言葉。異なる背景を持つ者が目標を共有するこの精神こそ、彼女が目指す理想の組織像です。部下のモチベーションを引き出し、明確なゴールを示す責任を負うリーダーとして、金川氏はチーム一丸となって突き進む決意を固めています。
セイコーのグループスローガンを冠した楽曲「時代とハートを動かすセイコー」の歌詞にあるように、彼女は周囲を巻き込み、情熱を伝播させていく存在です。個人的には、こうした「感情」を大切にするリーダーの存在こそが、デジタル化が進む現代において、ブランドに血を通わせる重要な要素になると確信しています。
クリスマスを控えた今、時計店は誰かを想う人々の温かなエネルギーに満ちあふれています。金川氏もまた、激動の1年を振り返りながら、家族や自分へのギフトを探しに街へ繰り出そうとしています。アジアという広大な市場で、彼女がどのような「時」を刻んでいくのか、その手腕に世界が注目しています。
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