私たちの生活に欠かせない冷却材であるドライアイスの世界に、大きな動きがありました。大陽日酸のグループ企業で、業界を牽引する日本液炭は、2019年12月11日に山口県宇部市での新工場建設を公式に発表したのです。この計画は、近年の深刻な供給不足を打破するための戦略的な一手として、多方面から熱い視線を浴びています。
SNS上では「夏場のイベントや宅配便でドライアイスが足りないと困っていたので助かる」「地元の雇用創出にも期待したい」といったポジティブな声が目立ちます。新工場は、宇部興産の広大な敷地内に構えられる予定で、最新鋭の設備が導入されます。投資額は約60億円という巨額なものであり、同社の並々ならぬ決意が伺えるでしょう。
安定供給を実現するアンモニアプラントとの連携
今回のプロジェクトの鍵を握るのは、原料となる炭酸ガスの確保です。液化炭酸ガスとは、私たちが吐き出す息にも含まれる二酸化炭素を、高い圧力をかけて冷却し液体状にしたものを指します。これをさらに固形化させたものが、お馴染みのドライアイスです。石油精製過程などで副次的に発生するガスを利用するため、非常にエコな産業といえます。
しかし、近年は化学プラントの構造変化により、この原料ガスの確保が難しくなっていました。そこで宇部工場では、2021年11月の稼働開始に向けて、宇部興産のアンモニア製造プラントから出るガスを有効活用する仕組みを整えます。日量にして液化炭酸ガスを200トン、ドライアイスを150トンも生産できる能力は、まさに圧巻の一言です。
効率化を目指す拠点の集約と未来への展望
新工場の建設に伴い、既存の体制も大きく刷新される見通しです。福岡県の黒崎工場や岡山県の水島工場が担っていた製造機能は、この宇部工場へと集約されることが決まりました。これにより、生産効率を極限まで高める狙いがあるのでしょう。2020年2月の着工を皮切りに、日本の物流を支える新たな心臓部としての歩みが始まります。
筆者の個人的な見解として、今回の投資は単なる工場の増設以上に、日本のインフラを維持するための「防衛策」だと感じます。冷凍食品の需要拡大やEC市場の成長に伴い、冷却材の安定確保はもはや社会課題です。この新工場が稼働することで、私たちの暮らしがより便利で豊かになることは間違いありません。今後の進展から目が離せませんね。
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