船越英一郎が挑む不朽の名作『赤ひげ』!亡き父に捧げる人間味あふれる新境地とは

日本を代表するサスペンスドラマの帝王、船越英一郎さんが今、魂を込めて向き合っている作品があります。それは、山本周五郎氏の不朽の名作をドラマ化した『赤ひげ』です。2017年に初めてこの大役に挑んだ際、船越さんは俳優としての大きな喜びに震えると同時に、歴代の名優たちが築き上げてきた歴史という巨大な壁に直面したといいます。

撮影に臨むにあたり、船越さんは最初の台本を真っ先に仏壇へと供えました。船越さんのご両親は、かつて黒澤明監督が手掛けた映画版の『赤ひげ』をこよなく愛していたそうです。父である名優・船越英二さんは、当時の映画界の専属制度という垣根があり、他社である東宝の黒澤作品に出演できなかったことを生涯惜しんでおられたからでしょう。

原作の文庫本に自身の写真が載った帯が巻かれたときも、船越さんは深い感謝とともに仏壇に報告したと語ります。SNS上では「船越さんの赤ひげは温かみがあって泣ける」「お父様への思いが演技から伝わってくる」といった感動の声が数多く寄せられており、視聴者の心にもその真摯な姿勢がしっかりと届いているようです。

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未完の背景から紡ぎ出す「人間・赤ひげ」の魅力

2019年12月現在、待望の続編となる『赤ひげ2』がBSプレミアムにて放送されています。実は2017年の第1シリーズで原作のエピソードはすべて使い切っており、今作では他の山本周五郎作品のエッセンスを物語に融合させる「移植」という手法が取られました。これは既存の枠組みを超えた、制作陣にとっても大きな挑戦といえます。

役作りにおいて、船越さんはある課題にぶつかりました。物語の舞台である「養生所(江戸幕府が貧しい人々のために設置した無料の医療施設)」で奮闘する姿は描かれますが、実は主人公の私生活や過去は謎に包まれています。そこで船越さんは、あえて完璧な聖人君子ではなく、どこか未熟で若手にいじられるような人間味を大切にしました。

この役作りのヒントとなったのが、父・英二さんが生前に追求していた「軽妙洒脱(けいみょうしゃだつ)」というスタイルです。これは、重苦しくなく軽やかで、洗練された振る舞いや様子を指す言葉です。父が愛したコメディの色彩を役に投影することで、重厚な医療ドラマの中にふっと息がつけるような親しみやすさが生まれています。

偉大な父の背中を追い、その「かけら」を自分の中に取り込もうと毎日仏壇に手を合わせる船越さんの姿に、私は表現者としての究極の敬意を感じます。名作を単なるリメイクで終わらせず、自身のルーツと融合させることで、2019年の今だからこそ響く新しい赤ひげ像が確立されたのではないでしょうか。

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