中国の習近平指導部が、2020年の実質経済成長率の目標を従来の「6.0%から6.5%」という幅を持たせた設定から、「6%前後」へと引き下げる方向で最終調整に入ったことが、2019年12月13日までに明らかになりました。この調整は2年連続の目標引き下げとなり、長引くアメリカとの貿易摩擦による経済的な下押し圧力が色濃く反映されています。
目標数値については、2019年12月12日に閉幕したばかりの最重要会議「中央経済工作会議」において、すでに首脳陣の間で合意が得られた模様です。正式な発表は、2020年3月に開催を控える全国人民代表大会、いわゆる「全人代」での政府活動報告を待つことになります。国家の最高意思決定機関での発表に向けて、着々と準備が進められているようです。
政府関係者の分析によれば、製造業の景気動向を示す指数に改善が見られるなど、足元の経済状況には明るい兆しも確認されているといいます。専門家の間でも、現在のマクロ経済環境を考慮すれば、6%程度の成長率を維持できれば十分であるとの見方が大勢を占めているのです。無理な拡大を追わず、着実な歩みを選択する姿勢が読み取れます。
また、中国政府には「2020年のGDPを2010年比で2倍にする」という国家目標がありますが、これについても達成の目途が立っているようです。経済センサスの調査結果に基づき過去の数値を遡って改定したことで、仮に成長率が6%をわずかに下回ったとしても、目標達成が可能となる「計算上の余裕」が生まれたことも背景にあるでしょう。
SNS上では、この「6%死守」とも取れる調整に対し、「世界の成長エンジンである中国の減速は、日本企業にとっても無視できない事態だ」といった懸念の声が上がっています。一方で、「安定成長への舵取りは、バブル崩壊を防ぐために賢明な判断ではないか」という、中国政府の現実的な路線を評価する冷静な意見も見受けられました。
編集者としての私見ですが、今回の目標設定は、単なる減速の容認ではなく「量から質への転換」を象徴していると感じます。米中対立という巨大な逆風に立ち向かうなかで、数字の華やかさよりも持続可能な体力を温存しようとする、したたかな国家戦略が垣間見えます。今後、この調整が世界市場の株価や為替にどう波及するか、注視すべきでしょう。
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