中国の習近平指導部が、国家の威信をかけた巨大なプロジェクトに乗り出しました。2019年12月10日現在の情報によると、中国共産党や政府機関が使用する情報システムを、2022年までにすべて自国製品へと切り替える方針を固めたことが判明したのです。この大胆な計画は、パソコン本体から基本ソフト(OS)に至るまで、広範な範囲に及ぶ可能性を秘めています。
この決定の背景には、激化の一途を辿る米中間のハイテク覇権争いが色濃く反映されています。米国製品を徹底的に排除することで、自国のIT産業を強力に育成し、同時に進行中の貿易交渉を有利に進めるための強力な「切り札」にする狙いがあるのでしょう。地方政府関係者の証言によれば、2019年6月までには具体的な通知が各機関へ送られていたようです。
注目すべきは、その緻密で野心的なスケジュール感です。2020年に30%、2021年には80%、そして最終的な2022年には100%という、極めて高い目標が設定されています。対象には、世界中で愛用されているマイクロソフトの「ウィンドウズ」や、事務作業に欠かせない「オフィス」なども含まれる見込みで、既存のITインフラが根本から塗り替えられようとしています。
SNS上では「ついにデジタル版の万里の長城が完成するのか」といった驚きの声や、「中国製OSの実用性がどこまで通用するのか見ものだ」という冷静な分析が飛び交っています。世界シェアを独占してきた米国系企業にとって、この動きは無視できない巨大な衝撃となるでしょう。私個人としては、この動きは単なる防衛策ではなく、中国が世界のIT標準を自ら作り出そうとする宣戦布告のように感じられます。
OSの壁を越えられるか?独自開発を急ぐ中国企業の挑戦
今回の計画で最大の障壁とされるのが、パソコンの司令塔とも言える「OS(オペレーティング・システム)」の代替です。OSとは、キーボードの入力や画面の表示、アプリの動作などを管理する最も基本的なソフトウェアのことです。現在、中国国内のパソコンOS市場は、米国企業のマイクロソフトが提供する「ウィンドウズ」が約9割という圧倒的なシェアを占めています。
この牙城を崩すべく、中国電子信息産業集団などの国有企業は「銀河麒麟(ぎんがきりん)」といった独自OSの開発を急いでいます。また、CPU(中央演算処理装置)と呼ばれる、パソコンの「脳」に相当する半導体についても、インテルなどの米国製から自国製への移行が検討されています。ハードとソフトの両面で、米国依存からの完全脱却を成し遂げようとする意志が伺えます。
事務用ソフトの分野では、すでに激しいシェア争いが展開されています。マイクロソフトの「オフィス」に対し、中国のキングソフト(金山軟件)が約4割のシェアを確保しており、代替の準備は着実に進んでいると言えるでしょう。2015年に発表された産業政策「中国製造2025」以来、積み重ねてきた技術力が、今まさに国家の安全保障を支える盾として機能し始めています。
2022年までの3年間で、約2000万台ものパソコンが買い替えの対象になると予測されており、これは中国国内需要の1割を超える規模です。この巨大な特需は、レノボ(聯想集団)をはじめとする自国メーカーにとって、かつてない成長のチャンスとなるはずです。政治的な思惑が経済を動かす、ダイナミックな時代の転換点を私たちは目撃しているのではないでしょうか。
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