2019年12月13日、日本のビジネス界に激震が走るニュースが飛び込んできました。与党が発表した税制改正大綱において、大企業とスタートアップ企業の連携を強力にバックアップする「オープンイノベーション促進税制」の創設が決定したのです。この新制度は、自社の殻に閉じこもりがちだった日本企業の「自前主義」を打ち破り、外部の斬新なアイデアを取り込むための起爆剤として期待されています。
SNS上では「ようやく日本も重い腰を上げたか」「スタートアップへの資金流入が加速しそう」といったポジティブな反応が目立つ一方で、投資の質を問う声も上がっています。オープンイノベーションとは、社内の資源だけでなく社外の技術や知識を組み合わせて革新的な価値を生み出す手法のことです。2020年04月01日から2022年03月31日までの期間に行われる出資が対象となり、まさに今、変革の時を迎えています。
具体的な仕組みとしては、大企業が設立10年未満の非上場企業へ1億円以上の投資を行った際、その出資額の25%相当を所得金額から控除できるという、非常に手厚い内容になっています。海外企業への投資なら5億円以上、中小企業による投資なら1000万円以上が条件です。企業の節税効果を高めることで、リスクを恐れず挑戦的なベンチャー企業へ資金を回す仕組みが、国を挙げて整えられたといえるでしょう。
「自前主義」からの脱却と、溜まった内部留保の活用
これまで日本企業は、463兆円にも及ぶ巨額の内部留保、つまり社内に蓄積した利益を抱え込んでいることが課題視されてきました。財務省の2018年度統計でも、この数字は7年連続で過去最大を更新しています。今回の税制改正は、この「眠れる資金」を成長分野へと動かし、日本版の「ユニコーン企業(評価額10億ドル以上の未上場企業)」を2023年までに20社創出するという政府の野心的な目標を支えるものです。
私は、今回の措置は単なる減税ではなく、日本企業の「文化」を変えるための劇薬だと考えています。米国や中国に比べ、日本はベンチャー買収や投資の規模で大きく遅れをとってきました。トヨタ自動車のように積極的に動く企業は一部に限られています。しかし、この税制が呼び水となり、大企業の持つ潤沢なネットワークと、ベンチャーの俊敏な技術力が融合すれば、世界を驚かせるイノベーションが日本から再び生まれるはずです。
ただし、税優遇を受けることだけを目的とした「名ばかり投資」には厳しい目が向けられます。出資から5年以内に株を売却した場合は減税分を返還するルールがあり、腰を据えた事業提携が求められています。既存の交際費減税を縮小して財源を確保する方針からも、「お付き合い」の飲み会より「未来への投資」を優先せよという、政府からの強いメッセージが感じられます。この変化をチャンスと捉え、企業がどう動くかが注目されます。
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