環境に優しいクリーンエネルギーの象徴として、世界中で大きな期待を寄せられているのが水素エネルギーです。この広大な市場に向けて、新潟市に拠点を置く金属加工ベンチャー「WELCON(ウェルコン)」が、2020年より水素ステーション用機器の海外販売を本格的に開始します。最先端の技術力が、いよいよ世界の舞台で試される瞬間がやってきました。
今回、同社が世界展開の切り札として掲げるのが、水素ステーション向け熱交換器「H2C」です。この熱交換器は、水素を充填する際に発生する熱を制御する重要な役割を担っています。SNS上でも「新潟から世界を変える技術が出るのは胸が熱い」「水素社会のインフラを支える縁の下の力持ち」といった、技術力の高さを絶賛する声が数多く寄せられています。
常識を覆す小型化と国際規格の取得
「H2C」の最大の特徴は、驚くべきそのコンパクトさにあります。ステンレス製でありながら、従来の機器と比較して体積を約2分の1にまで抑えることに成功しました。水素ステーションの限られたスペースを有効活用できるこの技術は、普及の大きな障壁だった設置コストや場所の問題を解決する鍵として、業界内でも高い注目を集めています。
海外進出に向けた足掛かりとして、同社はすでに欧州の厳しい安全基準である「PED」の認証を取得しました。PEDとは、欧州における圧力機器の安全性を示す必須の規格です。2019年春にはこのハードルを突破しており、現在は2020年前半の完了を目指して、米国機械学会(ASME)の規格認定手続きを精力的に進めています。
米国の規格認定は、製品単体ではなく工場全体が対象となるため、一度取得すれば他の熱対策部品も一気に海外へPRできる大きなメリットがあります。世界標準の規格を手に入れることは、信頼の証となります。ドイツで開催される展示会などを通じ、新潟発の革新的な技術がグローバルなスタンダードへと駆け上がっていくことでしょう。
独自技術「拡散接合」による製造革新
WELCONの強みを支えているのは「拡散接合」という特殊な技術です。これは金属を溶かすことなく、原子レベルで隙間なくつなぎ合わせる工法のことです。これにより、従来では不可能だった緻密な内部構造を持つ部品の製造が可能になりました。新潟市内に2019年に新設された広大な新工場では、この加工プロセスの自動化に向けた実証試験が進行中です。
これまでは個別の要望に応じるカスタムメードが中心でしたが、2018年からは安全性とコストパフォーマンスに優れた汎用製品の開発もスタートしています。この成果は2020年の早期に公表される予定であり、量産化によって水素社会のインフラ整備がさらに加速するはずです。一介のベンチャーが世界を変えるという挑戦に、私は心からの敬意を表します。
これほどまでの熱情と技術力があれば、日本のものづくりが再び世界を席巻する日はそう遠くないと確信しています。水素という未来のエネルギーを支えるWELCONの動向から、今後も目が離せません。地球規模の環境問題に立ち向かう彼らの歩みは、地域経済の活性化という側面を超え、人類の持続可能な未来を照らす希望の光となるでしょう。
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