卒FIT後の新戦略!KDDI系のエナリスが挑む「太陽光エネルギー運用」の実証実験とは?

家庭の屋根で輝く太陽光パネルが、単なる発電設備から「資産」へと進化する大きな転換点を迎えています。KDDIとJパワーが出資する電力管理のスペシャリスト、エナリス(東京・千代田)は、一般家庭で発電された余剰電力を預かり、市場で賢く運用する画期的な実証実験を2019年12月から開始することを発表しました。

この取り組みは、家庭の蓄電池に貯めた電気を、日本卸電力取引所(JEPX)の価格変動に合わせて最適なタイミングで売却するものです。まるで株や投資信託のように、エネルギーを市場で回していく試みは全国的にも非常に珍しく、次世代の電力運用の形として大きな注目を集めています。

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「卒FIT」問題への救世主となるか?

背景にあるのは、2019年11月から順次期限を迎え始めている「FIT(固定価格買い取り制度)」の終了、いわゆる「卒FIT」問題です。これまで高値で買い取られていた電力が、期限後は1キロワット時あたり10円前後まで急落するため、売電収入に頼っていた家庭にとっては大きな痛手となることが予想されています。

今回のエナリスによるプロジェクトは、電力会社に安く買い叩かれるのではなく、市場の力を借りて利益を最大化するという、これまでにない選択肢を消費者に提供してくれます。SNS上でも「ただ売るだけじゃもったいないと思っていた」「テクノロジーで電気の価値が上がるのは面白い」といった期待の声が上がっています。

実験の舞台となるのは福島県の一部地域で、まずは疑似的な取引を通じて事業の採算性や実用性を厳密にシミュレーションしていく計画です。エナリス側は、市場販売で得られた利益の一部を手数料として受け取るビジネスモデルを描いており、消費者と事業者の双方がメリットを享受できる関係を目指しています。

ブロックチェーンが守る「電気の出所」

ここで鍵となる技術が「ブロックチェーン(分散型台帳)」です。これは情報を複数のコンピュータで共有し、改ざんを極めて困難にするデジタル技術のことですが、これを活用することで、送電線に流れた瞬間に混ざり合ってしまう電気に対し、「どの家庭から送られたものか」という証明書を発行できるようになります。

ただし、市場運用にはリスクも伴います。電力卸市場の価格は天候や需給バランスによって激しく変動するため、場合によっては電力会社に固定額で売るよりも受取額が減ってしまう可能性も否定できません。投資と同じく、自己責任の側面がある点は編集部としても注視すべきポイントだと感じます。

2012年の制度開始以来、太陽光発電は私たちの身近な存在となりました。これからは「作った電気をどう賢く使うか」という知恵が試される時代です。不安定な再エネをテクノロジーでコントロールするエナリスの挑戦が、日本のエネルギー自給率向上や家計の助けになることを切に願っています。

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