2019年11月28日、日本のエネルギー政策は大きな転換点を迎えています。かつて太陽光発電の普及を強力に後押しした「固定価格買い取り制度(FIT)」の適用期間が、今月からついに順次満了し始めたのです。
これは「卒FIT」とも呼ばれ、対象となる家庭は2019年内だけで約53万件に達し、その発電規模は原子力発電所2基分に相当する200万キロワットという膨大な数字になります。この勢いを止めることなく、再生可能エネルギーを未来の主役に育てることが急務です。
ネット上では「買い取り価格が下がるのはショック」「これからは自家消費の時代か」といった不安や期待の声が入り混じっています。しかし、制度が終わることは決して太陽光の価値がなくなることを意味しません。
新たな売電先と広がるエネルギーの選択肢
これまでは電力会社に割高な価格で電気を買い取ってもらうことが当たり前でしたが、これからは市場競争のステージへと移ります。ガス会社や石油会社など、電力自由化で参入した新電力が新たな買い手として名乗りを上げています。
環境意識の高い企業や消費者が「クリーンな電気」を求める動きは加速しており、各事業者が競い合うことで多様な付加価値サービスが生まれるでしょう。ただ安く売るだけでなく、どの企業の理念に共感して電気を託すかという視点が重要になります。
一方で、私たちが支払う電気料金には「再エネ賦課金」という上乗せ費用が含まれています。これが2019年度には2兆4000億円に達する見込みであり、国民の家計負担を考慮すると、制度の見直しは避けて通れない課題なのです。
地産地消と自立型電力システムへの転換
最近の相次ぐ自然災害による大規模停電を受け、注目されているのが「電気の自給自足」です。発電した電気を売らずに、蓄電池を活用して自宅で使い切るスタイルは、もしもの時の安心にも繋がる賢い選択と言えるでしょう。
蓄電池はまだ高価な設備ですが、普及が進むことでコストが下がり、誰もが導入しやすい環境が整うことが期待されます。地域全体で電気を融通し合う「地産地消」のモデルを確立するためには、古い規制の打破も欠かせません。
太陽光はすでに一定の普及を遂げましたが、地熱や洋上風力といった次世代の主役には、まだ適切な支援が必要です。私は、単なる補助金のバラマキではなく、自立した市場を作るための「攻めの支援」こそが日本のエネルギー自給率を高めると確信しています。
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