🔥【インド市場攻略】トヨタが挑む「3位集団」脱却への3つの戦略!スズキとの提携、新保証、技術力強化でシェア拡大なるか?

世界第4位の巨大新車市場、インド。約440万台という規模を誇るこの国で、自動車業界の巨人であるトヨタ自動車が、今、積極的な攻勢をかけています。しかしながら、トヨタのインド市場でのシェアはわずか3パーセント(約15万台)に留まっており、スズキが約4割のシェアで圧倒的な首位を独走している状況です。現地企業のタタ自動車などが形成する第2位集団に続く、トヨタは「3位集団」からの脱却を目指し、まずは年間20万台の販売達成を喫緊の課題として捉えています。

調査機関の予測では、世界の自動車販売に占める新興国の割合は、2021年までに約6割に達する見通しです。トヨタの世界販売(2018年)における新興国の比率は約4割ですが、インド、ロシア、ブラジルなどでのシェアは1割に満たない状況です。特に日本や米国市場が成熟し頭打ちとなる中で、インドでの成功は、トヨタにとってグローバルな新興国戦略の試金石になるでしょう。この重要な局面を乗り越えるため、トヨタは実に多角的な3つの戦略を打ち出しました。

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人口の6割を占める若年層に響くラインナップ拡充:スズキとの相互OEM戦略

トヨタがインドで最も重視しているのは、人口の約6割を占める35歳以下の若年層に向けた商品ラインナップの強化です。そのための最大の目玉が、競合であるスズキとの戦略的な提携、すなわちOEM(オーイーエム:相手先ブランドによる生産)の相互供給です。2019年6月、トヨタのインド子会社は新型ハッチバック「グランザ」を発売いたしました。これは排気量1.2リットルのガソリン車で、価格は約72万ルピー(日本円で約110万円)からという設定です。

このグランザは、実はスズキの主力車種「バレーノ」と同一のモデルであり、スズキからトヨタへの初のOEM供給となる車種です。OEM提携とは、他社で生産された製品を自社のブランド名で販売することで、トヨタにとっては自前でインド市場向けの小型車を開発するよりも、迅速に市場を開拓できるメリットがあります。トヨタ側もスズキに対してハイブリッド車(HV)などを供給する計画で、これにより、スズキからのOEM供給は多目的スポーツ車(SUV)の「ビターラ」と合わせて、年間3万~5万台規模が見込まれています。既存車種の販売増と合わせれば、目標である20万台超えが現実的なものとなるでしょう。

業界の専門家である調査会社フォーインのアジア調査部・堀井崇志氏も「今後販売を伸ばすには、物品税が低い全長4メートル以下の小型車が必要だ」と指摘しています。若年層や初めて車を購入する層にとって、安価で小回りの利く小型車は欠かせません。この提携は、まさにインド市場のニーズに合わせた賢明な戦略だと言えるでしょう。

安心感を武器にブランド認知を深める:異例の長期保証プログラム

車種の増加と並行して、販売金融や保証・修理サービスといった「ソフト面」の充実も販売を伸ばすうえで欠かせません。トヨタは現地ディーラーを通じ、新型グランザに、販売後3年間・10万キロという手厚い品質保証を付与しています。これは、通常の利用方法で万一不具合や故障が発生した場合に、無料で対応するというものです。

さらに特筆すべきは、5年間・22万キロの追加保証も準備されている点です。これは、耐久性の高さに定評があるトヨタブランドを改めてアピールする強力な手段となります。トヨタの担当者も「アフターサービスはトヨタブランドを認識してもらうきっかけになる」と述べているように、インド市場では「壊れにくい」「保証が手厚い」といった安心感こそが、競合他社との差別化につながります。インド国内のSNSでは「7年間も保証してくれるのは本当に安心」「この価格帯でこの保証はすごい」といった、歓迎の声が上がっており、この保証制度が、市場におけるトヨタの信頼度を一層高めるのは間違いないでしょう。

グループの技術力を結集:部品サプライヤーとのシナジー強化

そして第3の柱が、トヨタグループ全体の技術力と供給網を活用したシナジー効果の最大化です。スズキとの相互OEMが軌道に乗れば、必然的にトヨタグループのサプライヤー(部品供給業者)との連携も強化されることになります。

すでにその動きは始まっており、トヨタグループの主要部品メーカーであるデンソーは、ニューデリー近郊にあるエンジン関連部品の生産工場の生産能力を、2025年までに約1.5倍に引き上げる計画を発表しました。また、別の主要部品メーカーである豊田合成も、2018年にデリー近郊で技術開発拠点を設立しています。これは、これまで日本で担っていたエアバッグなどの設計や製品評価といった技術開発を段階的にインドへ移管し、より効率的な開発体制を構築することを目的としています。

これらの動きは、トヨタがインド市場を単なる販売先としてだけでなく、生産と技術開発の重要拠点として位置づけていることの表れです。グループ一体となって新興国での事業を強化できるかが、トヨタが「3位集団」から抜け出し、インド市場で確固たる地位を築くための鍵となるでしょう。日本市場が飽和する中、若年層が多く、成長著しいインドでの攻勢は、トヨタの未来を占う非常に重要な一歩だと言えます。

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