日本の誇る大企業である日立製作所が、2019年6月7日、インド南部の大都市ハイデラバードにおいて、エレベーター106台という過去最大級の大型受注を獲得したと発表しました。この規模の受注は、日立グループがインド国内で手掛ける昇降機ビジネスにおいて、これまでにない大きな実績となるものです。納入先は、2019年末以降に竣工予定の二つの大規模オフィスビルで、このニュースは、高い成長ポテンシャルを持つインド市場を日立が本格的に攻略していくという強い意思を示すものといえるでしょう。
今回、エレベーターを導入するのは、現地のデベロッパーであるフェニックスグループがハイデラバードの金融街で手掛けるプロジェクトです。具体的には、2019年12月に完成予定のオフィスビル「フェニックス アクイラ」に34台、そして2020年2月に竣工を控えている大規模複合ビル「フェニックス スペーシズ285」に72台が納入される計画です。日立は、子会社の日立ビルシステムと、インドでの販売・サービスを担う現地法人である日立リフトインディアが連携し、今回の受注に漕ぎつけました。
私見になりますが、近年のインドは経済成長が著しく、都市部での不動産開発、特にオフィスビルや高級ホテルといった高層建築の需要が非常に高まっています。それに伴い、エレベーターやエスカレーターといった「昇降機」の新設市場も、安定的な成長が見込まれる極めて魅力的な巨大マーケットになっているといえます。日立がこの成長の波に乗るためには、単に製品を提供するだけでなく、付加価値の高いサービスや技術を一緒に提供することが不可欠でしょう。
日立がこの度の大型案件で特に力を入れているのが、最先端の管理システムの導入です。具体的には、エレベーターの乗り場に設置された操作盤で、あらかじめ行きたい階を登録することで、利用者に最適なエレベーターが割り当てられる「行先階予約システム」を採用しています。これにより、各エレベーターが不必要に多くの階に停止するのを防ぐことが可能です。さらに、利用者の移動パターンや混雑具合を予測し、複数のエレベーターを最も効率よく動かす「群管理システム」も搭載されます。これらのシステムは、利用者の待ち時間を大幅に削減し、ビルの混雑緩和と移動効率の向上に大きく貢献することが期待されます。
インドの巨大市場における日立の戦略
SNS上では、このビッグニュースに対し「日本企業の技術力がインドの発展に貢献するのは嬉しい」「日立の先進的なエレベーター技術なら、インドのオフィス街の混雑も解消できるはず」といった、期待感を示すコメントが多く見受けられます。実際に、これらの「行先階予約システム」や「群管理システム」といった先進的なエレベーター運行技術は、高層かつ大規模なオフィスビルにおいて、その真価を発揮するソリューション(問題解決のための手段や技術)です。日立は、こういった技術的な優位性を前面に押し出すことで、今後も旺盛なインドの需要を着実に獲得していく戦略を描いていると見られます。
日立は、早くも2008年に現地法人である日立リフトインディアを設立しており、これまでもニューデリーやムンバイ、バンガロールといったインドの主要都市で、ホテルや商業ビルなどから昇降機の受注実績を積み重ねてきました。しかし、今回の受注は、その中でも過去最大級という象徴的な意味を持つものです。このような大型案件の獲得は、インド市場における日立のブランドイメージと信頼性を大きく高め、今後のさらなるビジネス拡大に向けた強力な追い風となることは間違いないでしょう。
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