2019年12月03日、森記念財団都市戦略研究所が「世界の都市総合力ランキング」の最新版を公開しました。この調査は、世界主要48都市を対象に、経済や文化、居住などの6分野70指標で評価したものです。東京は4年連続で世界3位という高い順位を維持しましたが、2位のニューヨークとのスコア差は前年の103.3ポイントから121ポイントへと大きく拡大する結果となりました。
特に懸念されるのが「経済」分野での失速です。2018年には北京を抜いて3位に浮上していましたが、2019年は再び北京に逆転を許し4位に転落してしまいました。GDP(国内総生産)の規模そのものは維持しているものの、成長率や優秀な人材を確保する難しさが順位を押し下げる要因となっています。SNS上では「実感として景気が良くない」「賃金が上がらない中で成長率が低いのは納得」といった厳しい声も目立ちます。
インフラ整備が進む文化・交流分野の躍進
一方で、東京が長年の弱点を克服しつつある明るいニュースも飛び込んできました。観光や魅力発信力を示す「文化・交流」分野では、順位こそ4位で据え置きですが、2位のニューヨークや3位のパリとの差を確実に詰めています。具体的には、ホテルの客室数が5位から1位へ、劇場やコンサートホール数が13位から5位へと飛躍的に向上しました。都市としての受け入れ態勢が急速に整っている様子がデータからも見て取れます。
しかし、さらなる高みを目指すには課題も残されています。富裕層向けの「ハイクラスホテル客室数」は19位、夜の娯楽を楽しむ「ナイトライフ充実度」は13位と、世界トップクラスの都市に比べるとまだ見劣りする部分があるようです。SNSでは「東京の夜は早い」「ラグジュアリーな体験ができる場所がもっと欲しい」という意見が散見され、インバウンド需要をより深く取り込むための施策が求められています。
2020年以降の東京が目指すべき姿とは
編集者の視点から見れば、東京は今、大きな転換点に立っています。経済の活性化策が乏しい現状において、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックは、世界に東京の魅力を再認識させる絶好のチャンスです。市川宏雄理事も指摘するように、大会後の観光客増加が経済を再び押し上げる起爆剤になることは間違いないでしょう。単なる一過性のイベントで終わらせない仕組み作りが重要です。
世界1位を8年連続で守り続けるロンドンも、EU離脱交渉の混迷によりスコアを落としています。絶対的な王者がいない今、東京が「経済」と「文化」の両輪で強みを発揮できれば、ニューヨークを追い抜く未来も決して夢ではありません。2019年12月03日現在の状況を冷静に分析すると、私たちはインフラ整備から、そこから生まれる体験価値の向上へと、軸足を移すべき時期に来ているのではないでしょうか。
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