消費増税から2ヵ月。静岡の小売業界が挑む「食」の反撃と年末商戦の行方

2019年10月1日の消費税率引き上げから、早いもので2ヵ月が経過いたしました。静岡県内の小売現場では、前回の増税時と比較して「駆け込み需要」や、その後に訪れる「反動減」の波は、それほど大きくなかったという見方が大勢を占めています。

SNS上では「キャッシュレス決済の還元があるから、以前ほど身構えなかった」といった冷静な意見も見受けられます。確かに、国が主導するポイント還元制度が、消費者の心理的な負担をうまく和らげている側面があるのかもしれません。

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百貨店と専門店の明暗を分けた「高額品」の動向

一方で、高額商品を主力とする百貨店は、現在も厳しい戦いを強いられているようです。2019年9月に大幅な増収を記録した反動により、2019年10月の売上は前年を大きく下回る結果となりました。時計や宝飾品など、生活に不可欠でない贅沢品ほど買い控えが顕著です。

対照的に、パソコン販売などを手掛けるZOAでは、驚くべき回復の早さを見せています。2019年9月最終週には、供給が追いつかないほど注文が殺到しましたが、法人向け需要の支えもあり、現在は前年を上回るペースで推移しているとのことです。

ここでの「法人向け需要」とは、企業が業務効率化のために行う投資を指します。個人の買い控えを、企業の安定した需要が補っている構図は、非常に興味深い現象と言えるでしょう。

軽減税率を追い風に「食」で賑わいを取り戻す

苦境に立たされる百貨店が反撃の狼煙を上げているのは、ズバリ「食品部門」です。酒類や外食を除く飲食料品に適用される「軽減税率」は、消費者にとって分かりやすいお得感に繋がっています。

松坂屋静岡店が開催した物産展では、通路が埋め尽くされるほどの盛況ぶりを見せました。また静岡伊勢丹では、不用な衣類と引き換えにクーポンを配布する施策が功を奏しています。これは単なる値引きではなく、循環型社会を意識した賢い集客術ですね。

私の個人的な意見としては、増税という逆風の中でも、こうした「体験型」の催事や、「付加価値」を提供する工夫が、今後の小売業の生命線になると確信しています。モノを買うだけでなく、そこに行く楽しみを提供できるかが鍵となるでしょう。

台風の影響と不透明な年末商戦の行方

しかし、楽観視できない要因も存在します。2019年9月から2019年10月にかけて日本を襲った台風の存在です。養生テープやブルーシートといった防災用品に一時的な特需が発生し、一方で店舗の臨時休業も余儀なくされました。

この自然災害による特殊な需要変化が、純粋な増税の影響を覆い隠してしまっているのです。地元企業からも「真の消費動向が見極められるのは年末商戦だ」という切実な声が漏れています。

消費者が財布の紐を再び緩めるのか、それとも引き締め続けるのか。静岡の小売各社は、独自の価格戦略やポイント施策を駆使して、勝負の12月に挑もうとしています。私たちも、地域の活気ある商業シーンを注視していきたいところです。

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