中国経済に復活の兆し?11月製造業PMIが節目「50」超えも、専門家が懸念する「持続力」の正体

2019年12月04日、停滞感が漂っていた中国経済に、ようやく明るい兆しが見えてきました。11月の製造業における購買担当者景況感指数(PMI)が、政府公表版と民間版の双方で、景況判断の分かれ目とされる「50」を突破したのです。このPMIとは、企業の購買担当者にアンケートを行い、景気の方向性を数値化した指標のことです。50を上回れば景気拡大、下回れば後退を意味するため、今回の結果は投資家の間でも大きな話題となっています。

政府版の指数は前月から0.9ポイント上昇して50.2を記録し、4月以来となる7カ月ぶりの改善を見せました。また、民間版も51.8と約3年ぶりの高水準をマークしており、生産現場に活気が戻りつつあるのは間違いありません。SNS上では「ようやく底を打ったのではないか」という期待の声が上がる一方で、「一過性の盛り上がりに過ぎない」と冷静に分析するユーザーも多く、市場の視線は次なる一手へと注がれています。

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クリスマス商戦が後押し?回復を支える要因と実態

今回のPMI改善の背景には、季節的な要因が大きく関係しているようです。国家統計局の分析によれば、世界的なクリスマス商戦に向けた受注増が、数字を大きく押し上げたとされています。さらに、景気動向と密接にリンクする「発電量」も回復基調にあります。9月の発電量は前年同月比4.7%増となり、11月も石炭消費量が大幅に増えるなど、工場の稼働率が確実に高まっている様子がうかがえるでしょう。

私は、今回の回復には政府による景気下支え策の効果も一定程度表れていると考えています。しかし、手放しで喜ぶのは時期尚早かもしれません。かつて2019年3月から4月にかけても指数が50を上回りましたが、それは減税前の駆け込み需要による一時的な現象に終わり、5月には再び低迷しました。今回も同様に、目先の受注が一段落した後に「息切れ」を起こさないか、慎重に見極める必要があるはずです。

デフレ圧力と消費の冷え込みが影を落とす不安材料

好調な指標の裏側には、深刻な課題も潜んでいます。実は工場の出荷価格指数は悪化しており、生産現場ではモノの値段が下がり続けるデフレ圧力が強まっているのです。実際に10月の工業企業の利益は前年同月比で9.9%も減少しました。企業が必死にモノを作っても利益が出にくいという、苦しい台所事情が透けて見えます。在庫指数も芳しくなく、企業の本来の体力が回復したとは言い難い状況です。

さらに、私たちの生活に身近な「消費」の現場も、決して楽観視できません。10月から11月にかけて自動車販売は低迷が続いており、不動産取引の伸びも鈍化しています。11月には大規模なECセールによる盛り上がりもありましたが、これは他の月の需要を先食いしただけという見方も根強いものです。2019年12月16日に公表される主要統計で、真の回復力が証明されるのか、世界がその行方を注視しています。

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