2019年11月、渋谷の街に新たなファッションの聖地が誕生しました。改装オープンした渋谷パルコの2階に登場した「ザ・ノース・フェイス ラボ」は、単なるアパレルショップの枠を超えた驚きの体験を提供しています。ここでは、ゴールドウイン初となる「体形に合わせたオーダーメイドジャケット」を、わずか1カ月で仕立てることが可能です。
このニュースはSNSでも瞬く間に話題を呼び、「自分だけのノースフェイスが作れるなんて夢のよう」「3Dスキャンで計測する近未来感がたまらない」といった期待の声が溢れています。平日の夜であっても、仕事帰りの会社員や外国人観光客で店内が賑わっている様子からは、ブランドに対する信頼と新サービスへの関心の高さが伺えるでしょう。
最先端テクノロジーが実現する理想のフィット感
店舗のレジ横には、最新の「3Dスキャンシステム」が導入された特別なスペースが用意されています。これは赤外線などのセンサーを用いて、体の表面を立体的なデータとして瞬時に読み取る技術です。従来のメジャーを使った採寸よりも圧倒的に精度が高く、わずか数十秒であなたの体形をデジタル化してパソコン内に再現してしまいます。
ユーザーは事前にスマホやPCで、ベースとなるフリースやダウン、マウンテンパーカから好みの形を選び、肩や袖のカラー、ファスナー、ロゴの色まで自分流にアレンジ可能です。その後、店舗でのスキャンを経て、専門スタッフとの綿密な「面談」が行われます。この対話こそが、機械だけでは到達できない満足感を生む鍵となるはずです。
例えば「通勤でスーツの上に羽織りたい」といった具体的な要望に対し、スタッフは「それなら中に着込むことを考慮して少しゆとりを持たせましょう」とプロの視点で助言をくれます。こうした「141 CUSTOMS(ワンフォーワンカスタムズ)」と呼ばれるパーソナルな調整は、既製品では決して味わえない至高の着心地を約束するでしょう。
職人技とデジタルが融合する新しいブランドの形
最終的に決定したデータは、富山県にあるゴールドウインの生産拠点へと送られます。ここでは熟練の職人が、最新のデジタルデータを元に一つひとつ丁寧に裁断・縫製を行います。都会で着るスタイリッシュな1着から、厳しい山頂に耐えうる本格仕様まで、使う場所を問わず最高のパフォーマンスを発揮するジャケットが完成するのです。
私は、この取り組みが今後のアパレル業界における「正解」の一つだと確信しています。これまでの大量生産・大量消費のモデルから、本当に自分に合うものを長く大切に使う「サステナブル」な価値観へのシフトを感じるからです。自分のこだわりが詰まったジャケットには、価格以上の愛着が湧くことは間違いありません。
ゴールドウインが直営店での顧客体験を重視し、直接ユーザーの声を聞く姿勢に切り替えたことは、ブランドの進化を加速させるでしょう。2019年12月04日現在、まだ始まったばかりのこのサービスは、自分だけのスタンダードを求める現代人にとって、最も刺激的なファッション体験になるに違いありません。
コメント