2019年12月11日、中国の金融業界を牽引する平安保険グループ傘下のフィンテック企業、ワンコネクト・ファイナンシャル・テクノロジーが、米国市場での新規株式公開(IPO)における公開価格を大幅に引き下げると発表しました。当初の計画では1株あたり12ドルから14ドルという強気の価格設定を想定していましたが、投資家の反応を鑑みて9ドルから10ドルという水準まで下方修正を余儀なくされています。
フィンテックとは「金融(Finance)」と「技術(Technology)」を掛け合わせた造語であり、AIやクラウドを活用してこれまでにない利便性の高い金融サービスを提供することを指します。同社は銀行などにクラウド型のシステムを提供する、まさに業界の最先端を行く存在ですが、今回の価格改定は市場の期待が一時的に沈静化している現状を浮き彫りにしたといえるでしょう。
ソフトバンク・ビジョン・ファンドへの影響とSNSの反応
今回の決定は、同社へ出資を行っているソフトバンクグループ傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」にとっても、無視できない向かい風となる可能性が高いです。巨額の資金を投じてユニコーン企業の成長を支援する同ファンドですが、投資先の評価額が目減りすることは、戦略全体の妥当性が問われる事態に繋がりかねません。世界中が注視する巨大ファンドの動向だけに、今回の減額ニュースは大きな波紋を呼んでいます。
SNS上では、期待値が高すぎたことへの反省を口にする投資家や、米中摩擦の影を感じ取って慎重な姿勢を見せるユーザーが目立ちます。「技術力はあっても、今の市場環境で強気の価格設定は厳しかったのではないか」といった冷ややかな意見が散見される一方で、安値で参入できるチャンスと捉える前向きな声も一部で上がっています。このように、ネット上の反応も二極化しており、今後の株価推移がより一層注目されます。
編集者としての私見ですが、今回のIPO縮小は企業の実力不足というよりも、過熱したフィンテックバブルが一度「踊り場」に差し掛かった証左だと感じています。投資家が企業の「期待」だけでなく、冷徹に「収益性」を見極める段階に入ったのではないでしょうか。ソフトバンクのような巨大資本にとっても、今は量より質、あるいは持続可能なビジネスモデルを厳選する忍耐強さが求められる極めて重要な局面です。
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