教育の現場であるはずの学校法人が、巨額のマネーゲームの舞台になってしまったのでしょうか。大阪府熊取町の「明浄学院」を巡る21億円の業務上横領事件で、新たな事実が次々と明らかになっています。
2019年12月17日、元理事長が学園を乗っ取るための資金源が、大手マンション開発「プレサンスコーポレーション」の社長からの個人的な資金提供だったことが判明しました。SNS上でも「有名企業のトップが関与するなんて信じられない」「生徒たちが可哀想すぎる」といった怒りや驚きの声が殺到しています。
18億円の裏金と学園乗っ取りのカラクリ
今回、捜査のメスが入ったのは、元理事長の大橋美枝子容疑者が経営の実権を握るために使った約18億円の出どころです。なんと、プレサンス社の山岸忍容疑者の個人口座から、関連会社を経由して巨額の資金が流れていたというのです。
ここで問われている「業務上横領」という言葉ですが、これは仕事上で管理を任されているお金や品物を、自分のものにしてしまう犯罪を指します。大橋容疑者らは、高校の土地売却に絡んで得た資金を不正に流用した疑いが持たれているわけです。
事件の始まりは2016年4月に遡ります。大橋容疑者が副理事長に就任した後、山岸容疑者側から約18億円が提供されました。この資金は学園への5億円の寄付や当時の理事長への10億円の貸し付けに化け、結果として大橋容疑者が理事長の座を射止める強力な武器となったようです。
土地転がしの標的になった教育機関
なぜ、不動産会社のトップがこれほどまでの巨額な個人資産を投じたのでしょうか。その背景には、明浄学院高校の一等地を巡る思惑があったと見られています。大橋容疑者がトップに立った直後の2017年7月ごろ、高校の土地の一部が30億円余りで売却される契約が結ばれました。
不動産取引における「手付金」とは、契約の証として先払いされるお金のことです。この手付金21億円が複数のダミー会社を経由して横領され、その一部が山岸容疑者への返済に充てられていたと特捜部は睨んでいるのです。
教育現場を守るために今必要なこと
一連の報道を見て、私自身、強い憤りを感じずにはいられません。本来、子供たちの未来を育む場所であるはずの学校法人が、一部の大人たちの強欲な不動産ビジネスの道具として利用されたことは、決して許されるべきではないでしょう。
利益至上主義の企業論理が教育の場に介入することの恐ろしさを、この事件は浮き彫りにしています。真に守られるべきは、生徒たちの学ぶ権利と保護者の信頼です。こうした学校法人のガバナンス不全を防ぐためにも、国や自治体による監視体制の強化が急務だと言えます。
今後、大阪地検特捜部の捜査によって全容が解明されていくことになりますが、私たちメディアも、この事件がうやむやにされないよう継続して注視していく必要があると考えています。
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