数千年から1万年という悠久の時を超え、縄文時代の感性が現代のビジネスシーンに鮮烈なインパクトを与えています。山梨県では、出土した土器の造形や文様をデジタル化し、誰でも商用利用できる「山梨デザインアーカイブ」の取り組みが本格化してきました。山梨県産業技術センターが2016年から運用を開始したこのプロジェクトは、地道なデータ拡充を経て、ついに掲載数が1000件を突破したのです。
このアーカイブの最大の特徴は、山梨県内に限らず、全国どこからでも無料で商用利用が可能であるという点でしょう。地域資源をオープンに共有することで、新たな価値創造を後押しする太っ腹な試みといえます。SNS上でも「縄文の文様は現代でも通用するハイセンスなデザインだ」「歴史を身に纏えるのは素晴らしい」といった、クリエイターや歴史ファンからの熱い視線が注がれており、期待値は高まるばかりです。
使いやすさを追求した4つのデジタル資産
公開されているデータは、単なる記録写真に留まりません。利用者が直感的に操作できる「形状」の3Dデータや、生地の印刷に最適な「模様」のシームレスパターンなど、現場目線の加工が施されています。ここで言うシームレス(Seamless)とは、画像の端と端を繋げても継ぎ目が目立たない状態を指し、壁紙や布地のデザインには欠かせない技術です。これらを活用すれば、専門知識がなくても洗練されたプロダクトが生み出せます。
さらに、山梨の土を数値化した「色彩」データや、400件以上の「物語」も収録されている点は見逃せません。色を特定の数値で管理する数値化(デジタル・カラー管理)により、印刷機やパソコン画面でも正確な色再現が可能となりました。地域の伝説や民話を商品のストーリーに組み込むことで、消費者の心に深く刺さる「語れる商品」を誰でも容易にプロデュースできる環境が整っています。
伝統と現代が融合したヒット商品の誕生
実際の活用例として、2019年10月には富士吉田市の老舗織物メーカーが、縄文土器の文様をあしらったシルクスカーフを発売しました。伝統的な絹織物の技術と、原始的な力強さを持つ文様が見事に調和し、受注生産という形で見事に商品化されています。また、武田信玄ゆかりの「兎の文鎮」をモチーフにしたワインストッパーなど、山梨らしい歴史背景を活かしたアイテムも登場しており、活用の幅は無限に広がっています。
編集者の視点から言えば、現代のような情報過多の時代において、1万年前から続く「本物の造形美」は圧倒的な差別化の武器になるはずです。2021年中には掲載データを2000件まで倍増させる計画もあり、山梨県産業技術センターの串田賢一主任研究員も積極的な活用を呼びかけています。流行に左右されない縄文のエネルギーを、あなたのビジネスや表現活動に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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