日本の海の玄関口として知られる横浜港が、今まさに歴史的な転換期を迎えています。2019年12月18日、日本外航客船協会が主催する「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2019」の授賞式が東京都千代田区で華やかに開催されました。この賞は、その年に最も支持された客船旅行や、受け入れ態勢に優れた寄港地を称える、いわばクルーズ業界のアカデミー賞のような存在です。数ある候補の中から、横浜港が見事に特別賞を射止めたニュースは、多くの関係者や市民を喜ばせています。
今回の受賞において、最大の決め手となったのは2019年を通じて展開されたインフラの劇的な進化でしょう。なかでも、2019年4月には国内初の快挙となる「クルーズ船4隻同時着岸」という壮観な景色を実現させました。これは、巨大なホテルに匹敵する大型船を同時に複数迎え入れる高度な運用能力を証明したといえます。SNS上でも「動く巨大なビルが4つ並んでいるみたいで圧巻!」「横浜の街の景色が完全に海外」といった驚きと興奮の声が次々と投稿され、大きな話題を呼びました。
新拠点「横浜ハンマーヘッド」の誕生とハブ港としての将来性
横浜港にとって2019年は開港160周年という記念すべき節目でもありました。そんなメモリアルな年の2019年10月には、新港ふ頭に客船ターミナルと商業施設が融合した「横浜ハンマーヘッド」がオープンしています。従来の単なる乗り場としての機能を超え、食や体験を楽しめる新スポットの誕生は、クルーズ客だけでなく観光客からも熱烈な歓迎を受けているようです。選考委員長を務めた池田良穂客員教授が、将来的に日本を代表する「ハブ港」としてのポテンシャルを高く評価されたのも納得の結果でしょう。
「ハブ港」とは、交通網の中心となる拠点のことで、ここを起点に多くの航路が網の目のように広がる役割を指します。横浜がその地位を不動のものにしようとしている事実は、一人の編集者としても非常に誇らしく感じます。洗練された都市景観と港湾機能がこれほど高いレベルで融合している例は、世界的に見ても珍しいのではないでしょうか。単なる移動手段としての船ではなく、港そのものが目的地になるという新しい旅の形を、今の横浜は提示してくれていると確信しています。
勢いの止まらない横浜港の拡張計画は、さらに先を見据えています。2020年5月には、本牧ふ頭で初めてのクルーズ船着岸が予定されている状況です。これにより、大さん橋、大黒、新港、山下、そして本牧という5つの主要なふ頭が揃い踏みすることになります。最大で同時に7隻もの豪華客船が並ぶという、世界でも類を見ない規模の受け入れ体制が整いつつあるのです。この進化のスピード感こそが、横浜が選ばれ続ける最大の理由なのかもしれません。
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