お正月を象徴する煮物料理に欠かせない存在といえば、シャキシャキとした食感が心地よいレンコンですよね。この野菜は、中央に複数の穴が並んでいる独特な形状から「先が見通せる」として、古来より日本では縁起を担ぐための食材として重宝されてきました。真っ白で瑞々しい見た目も相まって、ハレの日の食卓を彩るにはまさにうってつけの存在といえるでしょう。
実はレンコンには、見た目の美しさ以上に驚くべき健康パワーが秘められています。代表的な栄養素はビタミンCで、体内のサビを取り除く抗酸化作用や疲労回復への効果が期待されているのです。さらに注目すべきは、ポリフェノールの一種である「タンニン」でしょう。これは植物特有の収れん成分で、荒れた胃腸の粘膜を保護し、消化を助ける働きがあるとされています。
まさに、ご馳走を囲む機会が増える年末年始の疲れやすい胃腸には、レンコンは理想的なパートナーと言えますね。さて、植物学的に見ると、レンコンは「ハスの地下茎」が肥大化したものです。奈良時代にはすでに日本で栽培されていた記録がありますが、食用として本格的に広まったのは、育てやすい中国由来の品種が導入された明治時代以降のことだと考えられています。
現在の主な産地を見てみると、2018年のデータでは茨城県が全国シェアの約5割を占めるという圧倒的な規模を誇っています。次いで佐賀県や徳島県がそれぞれ約1割の生産量を担い、日本の食卓を支えてきました。しかし、2019年12月21日現在の市場調査によると、今シーズンはこの馴染み深い野菜の供給状況に少し異変が起きているようです。
台風19号の影響で価格が高騰?賢い年末の買い物術
東京都練馬区に店を構える人気スーパー「アキダイ」の店頭では、2019年12月中旬時点でレンコンが100グラムあたり70円前後で販売されています。同店の秋葉弘道社長によれば、この価格は例年よりも1割から2割ほど高い水準なのだそうです。SNS上でも「スーパーに行ったらレンコンが高くて驚いた」といった声が散見され、家計への影響を心配する主婦層の反応が目立ちます。
この値上がりの背景には、2019年10月に東日本を中心に甚大な爪痕を残した台風19号の存在があります。特に主産地である茨城県では、強風や大雨によってハスの茎や葉が損傷し、入荷量が大きく落ち込んでしまいました。自然の猛威が、私たちの年末の食卓にまで影を落としている事実に、改めて農業と天候の密接な関係性を痛感せずにはいられません。
編集者としての私見ですが、価格が高騰しているからといって、伝統の味を諦めるのは少し寂しい気がいたします。入荷が少ない今だからこそ、一節まるごと大切に使い切る工夫や、栄養満点な「タンニン」の効果を意識して、少量でも質の高い一品を楽しむ姿勢が大切でしょう。2019年の年末年始は、少し贅沢な縁起物として、感謝の気持ちを込めてレンコンを味わいたいものですね。
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