2019年ボージョレ・ヌーボー解禁!ブーム沈静化を打破する「令和初」の個性派ワイン戦略とは?

秋の深まりとともに、ワイン愛好家が待ちわびる特別な瞬間がやってきました。フランス・ボージョレ地区で今年収穫されたばかりのブドウを使った新酒「ボージョレ・ヌーボー」が、2019年11月21日の午前0時にいよいよ解禁されます。元号が令和となってから初めて迎えるこの記念すべき解禁日に、街の期待も高まっています。

かつてのような熱狂的なブームは落ち着きを見せているものの、今年のブドウは収穫量こそ控えめですが、その品質は非常に高いと評判です。SNS上では「毎年恒例のイベントとして落ち着いて楽しみたい」という声や、「令和最初の初物として縁起を担ぎたい」といった、質を重視する大人な楽しみ方を支持する投稿が目立っています。

市場の動きに目を向けると、日本国内への輸入量は2004年の104万ケースを頂点に、2013年からは6年連続で減少しています。2018年には44万ケースまで落ち込み、2019年は約40万ケースに留まるとの予測もあります。こうした逆風を跳ね返そうと、国内の酒類メーカー各社は従来の枠にとらわれない「変化球」の戦略で勝負を挑んでいます。

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日欧EPAの追い風とコストの板挟み

2019年は日欧経済連携協定(EPA)が発効し、ワインの関税が撤廃された記念すべき年でもあります。しかし、残念ながら消費者が期待するほどの大幅な値下げには至らない見通しです。これは、航空運賃の上昇や円安傾向といったコスト増が、関税撤廃によるメリットを相殺してしまっているためです。

例えば、サッポロビールやサントリーワインインターナショナルは、諸経費を考慮して価格を据え置く方針を示しています。アサヒビールは一部で値下げを断行しますが、その幅は1~2%程度の微増に留まります。お得感よりも、この時期にしか味わえない価値や、各ブランドが提供する新しい体験に注目が集まりそうです。

今年の味わいについて、メルシャンは「なめらかな口当たり」と表現し、サッポロビールは「ジャムのような濃縮感と渋み(タンニン)のバランスが良い」と太鼓判を押しています。タンニンとは、ブドウの皮や種から抽出される渋み成分のことで、ワインに骨格と深みを与える重要な要素です。今年は非常にリッチな仕上がりが期待できるでしょう。

多様化するニーズに応える個性派ラインナップ

画一的な赤ワインの時代は終わり、現在は消費者の好みに合わせた多様なタイプが登場しています。メルシャンは、華やかで食卓を彩る「ロゼ」の販売計画を前年比25%増と大幅に強化しました。SNS映えする美しい色合いは、パーティーシーンでも根強い人気を誇っており、この戦略は現代のニーズに合致していると感じます。

サントリーは、アルコール度数を7.5%に抑えた低アルコールのスパークリングヌーヴォーを2019年11月21日に新発売します。お酒に強くない方やワイン初心者でも、爽やかな泡とともに気軽に「解禁」の雰囲気を味わえる工夫がなされています。こうした入り口を広げる試みは、ワイン文化の裾野を広げる上で非常に重要です。

また、アサヒビールは持ち運びに便利な大容量の「パウチパック」を投入します。これは瓶に比べて軽く、空気に触れにくいため酸化を防げるという実用的なメリットがあります。一方、サッポロビールは樹齢100年を超える古木から採れたブドウを使用するなど、希少価値を訴求するプレミアム路線で勝負しており、各社の個性が光ります。

個人的な見解としては、単なる「お祭り騒ぎ」だった時代を経て、ボージョレ・ヌーボーは今、自分のスタイルに合わせて選ぶ「成熟した嗜好品」へと進化を遂げているように見えます。安さだけを求めるのではなく、生産者のこだわりや新しいスタイルを楽しむ姿勢こそが、令和のワインの楽しみ方と言えるのではないでしょうか。

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