2019年12月21日の夜、冷え込む公邸前で安倍晋三首相は、トランプ米大統領と行われた約75分間にわたる電話協議の内容を明かしました。北朝鮮が一方的に通告している「年末の期限」を目前に控え、事態は予断を許さない局面を迎えています。緊迫するアジアの安全保障を背景に、日米の両リーダーが直接言葉を交わし、綿密な戦略の擦り合わせを行った事実は、国際社会に対しても極めて強いメッセージを放つことになったでしょう。
今回の協議はトランプ大統領からの要請で実現したものであり、米国側の危機感の強さがうかがえます。北朝鮮は2019年12月に入ってから既に2度も、北西部の東倉里(トンチャンリ)にあるミサイル発射場で「重大な実験」を強行したと発表しました。これは、米国との交渉が決裂した場合に核実験やICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射を再開することを示唆する、危険なシグナルに他なりません。SNS上でも「クリスマスに何が起きるのか」と不安視する声が急増しています。
安倍首相は記者団に対し、北朝鮮による一連の挑発行動を毅然とした態度で批判しました。それと同時に、トランプ氏と金正恩氏の間で進められてきた「米朝プロセス」を日本として完全に支持する意向を改めて伝えています。非核化とは、核兵器を製造・所有・使用しない状態にすることを指しますが、単なる言葉の約束ではなく、検証可能で不可逆的なプロセスの遂行が求められています。武力衝突を回避し、平和的な対話でこの難局を打破できるかが鍵となるはずです。
さらに、安倍首相の視線は次なる外交の舞台へと向いています。2019年12月23日から予定されている訪中では、習近平国家主席や日中韓首脳会談を通じて、北朝鮮問題への協力を取り付ける方針です。北朝鮮に大きな影響力を持つ中国を巻き込み、地域の安定を模索する姿勢は、編集部としても高く評価したいポイントです。一方的な挑発に屈することなく、国際的な包囲網を維持し続けることこそが、今の日本に求められる「盾」と「矛」の役割ではないでしょうか。
加えて、今回の電話ではイラン情勢についても議論が及びました。首相は訪日したロウハニ大統領との会談結果を共有し、中東の安定に向けて米国と緊密に連携する合意を取り付けています。北朝鮮とイラン、二つの火種を抱える国際情勢の中で、日本の仲介外交がどのような実を結ぶのか。クリスマスを前に、静かながらも熱い外交戦が繰り広げられているのです。私たちはこの年末、北朝鮮が選ぶ道が「対話」か「破滅」かを、固唾をのんで見守る必要があるでしょう。
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