素材の進化で世界をリードするAGCが、次なる時代を見据えた大胆な一歩を踏み出しました。2019年12月23日に発表された最新の人事情報によると、年明けの2020年1月1日付で化学品カンパニーおよびライフサイエンス事業本部における重要な組織改編と人事異動が実施されます。このニュースは業界内でも大きな注目を集めており、SNS上では「素材の巨人が本気でライフサイエンスに舵を切った」といった期待の声が数多く寄せられています。
今回の人事の目玉は、化学品カンパニーにおける「戦略本部」の強化といえるでしょう。基盤技術開発のトップには佐藤寿氏が就任し、さらに応用商品開発を梅村和郎氏が牽引する体制が整いました。ここでいう「基盤技術」とは、素材開発の核となる基礎的な研究や製造技術を指し、そこから生み出されたシーズを実際の製品へと昇華させるのが「応用商品開発」の役割です。この両輪が強化されることで、革新的な素材が私たちの生活に届くスピードは飛躍的に向上するはずです。
主力事業の精鋭化とライフサイエンスへの注力
機能化学品事業本部においても、非常に興味深い配置転換が見られます。フロロポリマーズ事業部長には籾井達夫氏が、先端素材事業部長には西野次朗氏がそれぞれ就任します。「フロロポリマーズ」とは、耐熱性や耐薬品性に優れたフッ素樹脂のことで、半導体製造から自動車産業まで欠かせない高機能素材です。各分野のスペシャリストを適材適所に配置することで、既存事業の収益性を高めつつ、未知の領域である先端素材の開拓を加速させる狙いが透けて見えます。
特に注目したいのが、加藤真氏がリーダーを務める「FORBLUE(フォーブルー)」事業部です。このブランドは、水環境の浄化やエネルギー問題の解決に貢献するイオン交換膜などの環境ソリューションを展開しています。地球規模の課題解決が求められる現代において、AGCがこの分野を独立した事業部として強力にプッシュする姿勢は、投資家からも「SDGsへの具体的なアクション」として高く評価されるに違いありません。
さらに、未来の成長エンジンであるライフサイエンス事業本部では、高松聡氏から引き継ぐ形で西野次朗氏がファインケミカルズ事業部長を兼ねるなど、組織の若返りと専門性の融合が進んでいます。医薬品の受託開発・製造(CDMO)を含むこの分野は、AGCが「第二の創業」として位置づける重要領域です。一連の人事からは、単なる化学メーカーから、人々の命と地球を守る「ソリューションプロバイダー」へと変貌を遂げようとする、力強い意思が感じられます。
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