2019年12月23日、日本のインターネット業界を揺るがす歴史的な発表が行われました。ヤフーを傘下に持つZホールディングス(ZHD)と、対話アプリ最大手のLINEが、経営統合に関する最終合意に至ったのです。この巨大連合の誕生は、国内のデジタル経済圏における勢力図を根底から塗り替える可能性を秘めています。
今回の合意に伴い、親会社であるソフトバンクと韓国のネイバーは、LINEに対して共同でTOB(株式公開買い付け)を実施します。TOBとは、あらかじめ買い取り価格や期間を公表して、不特定多数の株主から市場外で株式を買い集める手法のことです。注目の買い付け価格は1株5380円に設定され、取得総額は約3720億円という巨額の規模に達します。
2019年12月23日時点のLINEの株価終値は5260円であったため、今回の提示額には約2.3%のプレミアム、つまり市場価格への上乗せ分が含まれています。この発表を受けてSNS上では「ついに決まったか」「圧倒的なインフラになりそう」といった驚きの声が広がる一方で、上場廃止を惜しむ投資家の複雑な心境も垣間見えました。
世界に挑む「最強のプラットフォーム」誕生のシナリオ
今後のスケジュールとしては、2020年5月から6月にかけて日本と米国で買い付けが進められる予定です。一連のプロセスを経て、LINEは惜しまれつつも上場廃止となる見通しでしょう。最終的にはソフトバンクとネイバーが50%ずつ出資する合弁会社が、ZHDの株式を65.3%保有する親会社として君臨する体制へと移行します。
筆者は、この統合が単なる規模の拡大に留まらない意義を持っていると確信しています。検索・広告に強みを持つヤフーと、強固なSNS基盤を誇るLINEが手を取り合うことで、決済からEC、行政サービスまでを網羅する「スーパーアプリ」への道が拓けるからです。米中のテック大手が席巻する世界市場において、日本発の連合がどこまで対抗できるのか期待が高まります。
もちろん、異なる企業文化の融合や独占禁止法への対応など、乗り越えるべき壁は少なくありません。しかし、個別のサービスが乱立する現在の不便さを解消し、ユーザーにとって真に利便性の高いエコシステムを構築できるのは、この両者をおいて他にないでしょう。2020年の本格始動に向けて、彼らがどのような革新を見せてくれるのか、目が離せません。
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