千葉県に位置する空の拠点、成田国際空港が大きな節目を迎えました。1978年05月20日の開港以来、積み上げてきた累計旅客数がついに11億人の大台に乗ったのです。記念すべき11億人目の達成は2019年11月に確認されており、前回の10億人達成からわずか2年4カ月という驚異的なスピードでの更新となりました。これには、近年のインバウンド需要の爆発的な高まりが大きく寄与していることは間違いありません。
SNS上では「おめでとう!」「いつもお世話になっています」といったお祝いの声が上がる一方で、羽田空港の国際線拡充を背景に「成田の存在感が薄れるのでは」と心配する意見も見受けられます。確かに、2020年春には日系大手航空会社の欧米路線数で羽田に逆転を許す見通しですが、成田空港は決して手をこまねいているわけではありません。独自の生存戦略を打ち出し、着実にファンを増やし続けているのです。
攻めの着陸料減免とLCC路線の拡充
成田空港が現在進めている大きな武器の一つが、航空会社に対する「着陸料」の優遇措置です。着陸料とは、飛行機が滑走路を使用する際に空港へ支払う料金のことですが、成田では2015年度から新規就航に対する減免制度を導入しました。これにより、国際線と国内線を合わせて約80もの新路線を獲得することに成功したのです。2019年度にはその適用期間を延長し、朝の出発便を無料にするなど、格安航空会社(LCC)にとって非常に魅力的な環境を整えています。
さらに、利便性の向上も加速しています。2019年10月末からはLCCのニーズに応える形で、発着時間を午前0時までと1時間延長しました。これにより深夜帯のフライトが可能となり、弾丸旅行を楽しむ層からも支持を集めています。また、2022年春に向けてLCC専用の第3ターミナルビルを拡張する計画も進行しており、さらなる受入体制の強化が期待されています。単なる移動手段の拠点ではなく、使いやすさを追求する姿勢が数字に表れているのでしょう。
「買い物をするなら成田」と言わしめる商業施設の充実
空港の魅力はフライトだけではありません。2017年から2018年にかけて第1ターミナルの出国手続き後のエリアに17もの新店舗をオープンさせた結果、2018年度の店舗売上高は1432億円と過去最高を記録しました。「成田空港でショッピングを楽しみたいから、あえてこの空港を選ぶ」という熱心な利用客も増えているほどです。高級ブランドから日本文化を感じる雑貨まで、充実したラインナップが空港全体の価値を底上げしているといえます。
編集部としては、羽田との差別化が成田の未来を左右すると考えています。都心に近い羽田に対し、成田は圧倒的な路線網と「滞在そのものを楽しむ体験」に特化すべきでしょう。第3滑走路の建設も控えており、ポテンシャルは依然として底知れません。11億人という数字は通過点に過ぎず、これからも成田は日本の空を象徴するダイナミックな存在であり続けるはずです。
コメント