2019年11月15日、神奈川・埼玉・千葉の各県で首位を走る地方銀行の2019年4月から2019年9月期の中間決算が出そろいました。今回の発表では、有価証券の運用実績によって各行の利益に明暗が分かれる形となっています。SNS上では「地銀の苦境は知っていたが、トップ行でもこれほど厳しいのか」といった驚きの声や、「手数料ビジネスへの移行は避けられない流れだ」という冷静な分析が飛び交っています。
本業の稼ぐ力を示す「実質業務純益」を見てみると、横浜銀行が前年同期比で7%増と健闘した一方で、千葉銀行はほぼ横ばい、埼玉りそな銀行は8%減という結果になりました。横浜銀行の増益を支えたのは、前年に苦戦した外国債券運用の持ち直しです。一方、埼玉りそな銀行は投資信託の解約に伴う利益が減少したことが響き、運用益を押し下げる要因となりました。
融資ビジネスの限界と迫られる収益構造の転換
長引く低金利政策により、お金を貸して利息を得るという銀行伝統のビジネスモデルは限界を迎えつつあります。今回の決算でも、貸出金の残高自体は3行とも増加していますが、そこから得られる「資金利益」をしっかり確保できたのは、中小企業向け融資が好調だった千葉銀行のみでした。横浜銀行はアパート関連融資が牽引役となっており、肝心の中小企業向けは伸び悩んでいるのが現状です。
さらに、景気の先行きに対する不安から、企業が倒産した際に備える「与信関連費用」が増加傾向にあります。これによって千葉銀行と埼玉りそな銀行は、最終的な儲けである税引き利益が前年を下回る事態となりました。私は、これからの銀行には単なる融資だけでなく、顧客企業の経営そのものを支援し、共に成長していくパートナーシップがより強く求められる時代になると確信しています。
コスト削減と「非資金利益」拡大への挑戦
日本銀行が2019年10月に発表したレポートでも強調されている通り、地銀の生き残りには「非資金利益」の拡大が不可欠です。非資金利益とは、融資の利息以外で稼ぐ「手数料収入」などを指します。埼玉りそな銀行はこの比率が22%と高く、特に相続関連の信託やファンドラップといった、市況に左右されにくい「ストック型ビジネス」が順調に育っている点は高く評価されるべきでしょう。
また、経営の効率性を示す指標であるOHR(経費率)の改善も急務です。千葉銀行は他行と窓口システムを共同開発することで52%という低い数値を叩き出しており、横浜銀行も店舗の集約を進めています。私は、従来の「プライド」を捨ててライバル銀行と手を取り合い、コストを分かち合う姿勢こそが、地域金融を維持するための現実的かつ賢明な戦略であると考えます。
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